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アストロダイス小説#01空から土星が降ってきた05

 黒井と表札を出された家に、トレミー探偵部の面々は到着した。

「おーい、くらげー」

「何だよ、陽太か。用があるなら、オンラインのチャットで入れてから来てくれよ」

 ついさっきまで寝てたであろう、ボサボサの髪で眼鏡をかけた少年が文句を言いながらも家の中に入れてくれた。

「悪かったな。猫のこと詳しいの、俺の友達ではくらげしか浮かばなくて」

「まぁいいけど、この人たちは誰?」

「部活の仲間。探偵ごっこ始めたんだ」

「コーコーセイカツ満喫してんな」

「お前もたまにはガッコ来いよ。通信コースでも機会あるだろ」

「オレは自宅警備が忙しいんだよ」

 くらげこと黒井しげるは家が好きすぎる不思議キャラだ。コミュニケーションが成立しないわけでも無いが、高校では家に堂々と引き込もれる通信コースを選んだクセに、模試なんかでは一般コースに引けを取らず、上位に入ってくる。不思議なやつだ。オンラインゲームでめっちゃ強いくらげとパーティーを組んで、オレは楽勝でゲームを楽しんでいる。

「お前、猫何匹飼ってんの?」

「黒猫2匹と茶トラが1匹、最近来た白のふわふわ入れて、4匹だな」

 リビングでコロコロ片手にくらげが答える。ネコの毛をマメに掃除している。

「くらげさん、死んだ飼い主のところを離れた猫はどこに行くものでしょう?」

「愛着のある家に帰るもんだと思うけど」

 美少女に話しかけられて、俯きながらそれでもポツポツ言葉を返している。

「ぼーちゃん、しんのすけはおじいさんの家に帰ってないの?」

「兄弟たちが探し回ってるけど、見つけられてないということは、家には帰ってないと思うって、かーさんが言ってた」

「うーん」

 俺はくらげに何でその猫を探さないといけないかを話し、心当たりを聞いてみた。

「その猫がじいさんによく連れられて行ってた場所とか病院から家までの道の途中で何かトラブルに遭ったとかかなー」

「トラブルって?」

「交通量多いとこだと、自転車や車に轢かれたり、縄張りに入り込んで追い出されたりで家にたどり着けてないかもな」

「じゃあ、道中の動物病院とかその猫が運び込まれてたりするかも」

 みんなで顔を見合わせて頷き合った。とりあえず方針は決まった。動物病院をピックアップして聞き込みだ!

「くらげ、ありがとう。次にどう動けばいいか分かったよ」

「しんのすけ、見つかるといいなー」

 くらげの家を出て、動物病院に聞き込みに行くには遅い時間だったので、また週末に出かける約束をして解散した。

つづく

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