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ちよプラ入居者インタビューvol.5 〜ちよプラ家守・黒川さん〜

こんにちは!入居者インタビュー担当の市村です。

ちよプラの中で多種多様な方が、同じ屋根のもとでシェアしている。その面白さ、有り難さをおすそわけしちゃいます!

第5弾は、2008年からちよプラで「家守」という役割を担っている黒川さんにお話を伺いました。

家守とは?
家守」とは江戸時代、土地と建物と住民に関するすべてを差配し、店子の業種選定から起業育成、町全体のマネジメントまでもを担う役割を指した肩書きの名称。
ちよだプラットフォームスクウェアは開設当初から事業目的として「家守構想」=近隣の空きオフィスをネットワークして有機的に機能させ、空洞化する都市部のまちづくりを推進する、というプロジェクトを掲げている。
家守構想を実現すべく、現代版の「家守」はコミュニティに必要な人材を広く全国から集めて入居者として迎え入れるとともに、入居者に対してビジネスマッチングをはじめとするサポートを提供するなど、様々な分野にまたがる専門性の高い仕事を担う役割として期待されていた。

非営利型株式会社が地域を変える ちよだプラットフォームスクウェアの挑戦 枝見太朗著

黒川智生さん

神奈川県横浜市出身。國學院大學文学部史学科卒。
株式会社ワールドに入社し、コルディア部営業、ファッションコンビニエンスストア「ITS‘DEMO」開発、株式会社ダブルジェイ事業推進部長を担当。
2006年3月 MINTCAFEとして、東アジア圏のファッション小売における知識創造へ貢献をテーマに独立。以後、日本国内外のファッション系小売各企業様を対象に活動中。
2008年5月 VMIパートナーズ合同会社設立。

お茶会から仔牛を食す会まで!?リーマンショック後のちよプラの道のり

ーー本日はよろしくお願いします!早速ですが、黒川さんが家守になった経緯を教えてください。

僕が家守になったのは2008年です。その年はリーマンショックがあった年で、事業が立ち行かなくなり退去する方がいる一方、より安いオフィスへの移動を考える中でちよプラに入居する方もいて、入居者の入れ替わりがありました。そこで改めてちよプラでの交流を活性化しようという話が挙がり、すでに何名かいた家守という役割をさらに増やす動きがおこりました。
私もそのタイミングで家守の石塚さんという方に紹介していただき、家守としての関わりが始まりました。

家守の業務内容のメインは、入居者同士の交流の促進です。
例えば、「ランチMTG」を開催したり。ランチタイムにしまゆしや屋上で集まり、ご飯を食べながら話す会です。

「目的がないと参加する人がいないのでは」と言われていましたが、実際に参加者がいなかったことはありませんでした。
月2、3回のペースで、合計55回行いました。1年半くらいかな。

ーーすごいですね!

様々なイベントも行われていました。BBQから始まり、お月見やお茶会などなど。箱根などへの旅行も7、8回開催しましたね。

ーー楽しそうですね!(PCを見ながら)「仔牛を食す会」というイベントが気になるんですが、これはどんなイベントだったんですか?

仔牛を食す会

これは、農商工連携サポートセンターの大塚さんのプロジェクトの一環だったんです。
山梨県の耕作放棄地を再生するために、仔牛を飼って耕す取り組みを2年行いました。冬は草がなくなってしまうので、と殺して食べる会を開催しました。山梨まで行って手伝ってくれる人を探すところからどうやって食べるかまで考えるのはすごく大変で、毎週MTGを行っていましたね。

ーー大変そうですが、多くの人を巻き込み、毎週のように稼働するほどの熱量があるプロジェクトだったんですね。

東日本大震災

そういったイベントやプロジェクトが活発に動き出していた矢先、東日本震災がありました。
様々なイベントが中止になる一方で、すでに交流のあった岩手県の釜石市を支援していくという方針が決まり、コンシェルジュが音頭をとって支援を行なっていく体制が始まりました。

週に一度程度はオープンネストに残っている入居者に声をかけ、近くの中華料理屋さんでご飯を食べながら釜石のことについても話し合ったり。

ーー家守ではなくても、そのような話し合いが日常的に行われていたんですね!

もちろん他愛ない話もしながらですが。
地域の取り組みはもともと関心のなかった領域だったので、震災を機に初めて関わる機会となりました。仕事につながったかどうかは人それぞれだと思いますが、重要性は皆よく分かったし、協力することの大切さも身に染みて感じました。

すぺさぽ開始の経緯

2014年頃から家守が減り、ちよプラの社員が減ったタイミングが重なったこともあり、地方連携のことまで手が回らなくなっていきました。さらに仕事の仕方が多様になりちよプラの利用方法も多様になる中で、入居者同士の接点の薄さが強調されていきました。

そのようなタイミングでコロナが来ました。
すぺさぽは、追い討ちをかけるように薄れていった入居者同士の関わりを再び増やしていきたい、と思い再開した取り組みです。週に1度、オープンネストやしまゆしにいて、気軽に話せる場を持つことで情報交換や人的交流を図っています。

オープンネストにてすぺさぽ運営中の黒川さん

ーー再開ということは、以前も行っていたんですか?

以前はよろず相談室という名前で開催していました。
家守が6人でそれぞれの得意分野を相談できる内容として掲示して、持ち回りでオープンネストにいる、ということを行っていました。

ーー実際にやってみて、どのくらいの人が来ていますか?

多い時で5,6人声をかけてくれます。すぺさぽを機に初めて知り合うことができた方もいます。

僕はたまたまちよプラに長くいますが、だからといって昔を思い出そうというわけではなく、今は今の人たちのニーズに合わせて作っていきたいと思っています。話したからこそ、伝わることもある。話す機会がないまま、すれ違うだけで終わってしまうことはもったいないと思っていますね。

ーーありがとうございます!私も一緒に考えていきたいです!

編集後記

すぺさぽという取り組みには、一見何の意味があるんだ?と思うかもしれません。しかし過去開催されたたくさんのイベントを通して起こる交流がちよプラの文化を作っていったのだと思います。

withコロナでも、少しずつ交流の場が復活していくことを期待しています。ちよプラのこれからがさらに楽しみになりました。色々なお話をしていただき本当にありがとうございました!

(市村彩)

VMIパートナーズ詳細

☆ファッションブランドの事業戦略構築、実行支援を行っています。
・リアル店舗と自社ECとを繋ぐ「ブランディング」「物流」をどうするか?
・リアル店舗をどう位置付け、未来戦略へ移行するか?
☆実務家教員として専門学校、ビジネススクールで年80コマ程度教えています。

ちよプラについて

多世代・多地域がつながり育つシェアオフィスーーちよだプラットフォームスクウェアは、様々な世代と地域が共創しながら、新たなビジネスや文化を生み出していく為の拠点施設です。


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