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粉末洗剤の香りが何のこっちゃわからん

粉末洗剤「ニュービーズ」が「すずらんの一生で最も清らかな五分咲きの香りブレンド」らしい。
何のこっちゃわからん。

昭和の人間の粉末洗剤に対する信頼度は高い。
少量でえげつなくキレイに洗い上げ、3分の2を使ったあたりから箱の四隅でカチコチに固まり始める粉末洗剤。
洗浄力と経済性の高さで粉末の右に出るものはなかろう。
水温が低いと溶け難い、粉末の欠点はそれのみ。
なので真冬のみ液体洗剤に切り替えてはいるが、昭和・平成・令和と我が家の洗濯洗剤の玉座には粉末が君臨している。

開花宣言が遅かった今年、まだまだ水温は冷たいがさすがに粉末が溶け残るほどではないので例年通り春先には粉末洗剤に切り替えた「ニュービーズ」

ふと「香り」の表示に目がいく。

すずらんの一生で最も清らかな五分咲きの香りブレンド

長い…ライトノベルのタイトルかおもた。
ギュッと縮めても「五分咲きのすずらん」の香り。
細かくねぇか?

白さと香りのニュービーズはてっきり白さにチカラを入れているのだと思っていたが、香りのほうに心血を注いでいるようだ。

https://www.kao.co.jp/newbeads/
ローズは七分咲き
すずらんは五分咲き

五分咲きと七分咲きの香りの違いを嗅ぎ分ける鼻が私になくて恐縮だが、とにかく一番オススメの最もきれいな瞬間のすずらんの香りをブレンドしているらしい。
良い香りの瞬間を洗剤に閉じ込めた香りにしているのは、わかった。
しかし花王の香りへのこだわりが強すぎて、さっぱり何のこっちゃわからん。

いつからだ。
いつからパッと見てもピンと来ない香りでやっているんだ、粉末洗剤よ。
昭和からずっと使ってきたのにまるで気付かなかった。
他の粉末洗剤も何のこっちゃわからん感じの香りでやっているのか。
白さが際立ってればそれでよかったので香りには見向きもしてなかったが、令和の粉末洗剤がどんな香りを打ち出しているのか確認しておこう。

ニュービーズと並ぶ知名度のアタックは

フローラルソープの香り「あ~アレね」…と、なるか?
フローラルの香りもソープの香りもどっちも何となく想像する香りはあるが、そのふたつを合体させると途端に「どの香り?」と、なる。

ニュービーズと来ればニューホワイト、さわやかなフローラルの香り。

手垢にまみれ使い回される「さわやかなフローラル」の香り。
フローラルの香りも色々ある中で「さわやか」さをプラス。
足された「さわやかな」でフローラルの香りがどう転ぶんだか、さっぱり。

ファーファ粉末洗剤はベビーフローラルの香り。

洗濯業界では「フローラル」単体ではGOサインが出ないのだろうか。
「さわやか」よりも「ベビー」のほうがどう転ぶかわからないフローラル。

洗濯洗剤が香りをミントでやってたとは思ってなかった。
ミントで思いつくのはガムかフリスクかだけど、消臭に重きを置くと香りはミントでいこうと決まるのだろうか。

ブルーダイヤも消臭に重きを置いてミント系。

すがすがしいクリアミントの香り。
ミントにいろんな肉付けを施した香りだが、まだ想像はできる香りのような気がする。
加齢臭をかき消すミントならあのミント、てな香りが頭に浮かぶ。
しかし「その香りが洗濯物からしている」となるとどんなミントも頭から消える。
洗濯物の「すがすがしいクリアミント」はピンと来ないのだ。
清掃直後のトイレの「すがすがしいクリアミント」はピンと来るのに。

トップは香りの表示がないのだが、

ショッピングサイトの部屋干しトップの香りの表記は、シトラスフルーティの香りとなっている。
シトラスだけでなく、しかもフルーではなくフルーティがプラスされている…何のこっちゃわからん。
柑橘系の、苦すっぱ系ではなく甘ったる系の香り、てことだろうか。
数あるミカンの種類の中のどれだろう…ピンと来ない。

ニュービーズの五分咲きすずらんもなかなかの細かさであるが、ボールドのピュアクリーンサボンの香りの細かさもイイ勝負。
キレイの塊せっけんにこれでもかとピュアでクリーンをトッピング。
清潔が過ぎて何のこっちゃわからん。

ボールドの伝家の宝刀「ピュアクリーン」はいざとなれば「ボタニア」にもその威力を発揮する…何のこっちゃわからんが。
ボタニアて何だろうかと検索してみたら「植物の天国」という合成語らしい。
ピュアでクリーンな植物天国の香り、ピンと来ん。

ボールドよ…伝家の宝刀をドコに置き忘れたんだ「ひだまりにフローラルの香り」何のこっちゃ。
昔々の「良い香り」のフレーズに「おひさまの香り」というのがあったが、それを令和では「ひだまり」と言うのか。
だとしたらその香りの正体は「皮脂や洗剤などの残留物と紫外線の化学反応で生成される匂い」である、洗浄と濯ぎの力が足りていない香りが「ひだまり」かもしれない。

ひだまり「に」なのが小憎たらしいではないか。
ひだまり「の」フローラルならまだピンと来たものをひだまり「に」フローラルとしたばっかりに、何のこっちゃわからん。
ひだまり「に」フローラル「を」どうしたと言うのだ。

この際だからボールドにはパッケージの文字を全部盛りした「何のこっちゃわからんを極めた香り」を付けておこう。

輝く白きひだまりに驚きのフローラルをそこはかとなく刻み付けた柔らかくほのかな香り

さっぱり何のこっちゃわからん。

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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