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公共職業安定所がハローワークの愛称で呼ばれ「ハロワ」と略されて30年以上経ちましたね

かつて近所の高校生に「馬ちゃんがよく言ってるショクワンて何なん?」と聞かれたことがある。
「ショクワンちゃうわ、ショクアン」
「アン?アンなん?」
「職業安定所の略で職安や」
「え~~~~?!漢字やったんや?!」
「漢字じゃなかったら何やおもててん」
「カタカナ?」
「カタカナでゆぅたらハローワークや」
「え~~~~~~っ?!職安ってハローワークのことやったん?!じゃぁ、馬ちゃんが言ってたのって全部ハローワークのことやったん?!」
「今更やな。今まで私の話をどう聞いとってん」
「いやぁ…馬ちゃんよくショクワンって言うなぁ~何のことなんやろ~て思ってたよ、ずっと」
「謎のショクワンが謎のままやないかい。最初のショクワンの時に何?て聞かんかい。職、安。国の機関、公共職業安定所です」

公共職業安定所こと職安で求人が出ていた会社に採用された時、求人内容に「雇用期間の定めあり」とあった。

雇用期間の定めあり

「諸行無常の響きあり」に脳内変換されるのは私だけであろうか。
嗚呼、続かないツヅカナイ…雇用期間が続かない、諸行無常の響きしかせん、サラサラそんな気もないしのぅ…盛者必衰の理の塊。

雇用期間は3カ月で更新の可能性ありで最初の3カ月は試用期間となっていたが、直属の上司が入社して2週間後に「もう試用期間を終わりましょう」と言う。
試用期間の3カ月を全う出来ないパターンがあんのか!
何らかしらのミスもなかったし大きな損害とかも出した覚えはないが…すわ求人詐欺かと思いきや上司が続けて曰く、

「じゃぁ明日からは正式契約のパート社員として、あなたが辞めると言うまで永久的に雇います」

いいの~そんなこと2週間で決めちゃって~…逆パターンがあんのか?
人材のほうが詐欺…いいや騙してるつもりは無いけど会社が期待するほどの仕事が出来ないっていう…いやいやそれも2週間ではまだわからんっ!
自分自身でもこの仕事が向いてるかどうかすら判断できない!
何の判断もつかん、それが2週間!
3カ月後に双方「続けて雇いたいか」と「続けて働きたいか」の意思確認があるものとばかり思っていたが、続けて働きたいかどうかも判断がつかぬまま自動的にパート職に就いていた。
それが私が雇用契約を結んだ最後の安定した仕事になった。

平成の時代、求人はまだかろうじて職安のほうが信頼度が高く、紙ベースの求人票を印字して仲介をしてもらっていたが、ネットに登録して働く日数を自分で決める派遣の働き方がだいぶ浸透してきていた。
そんな働き方の変化を経て令和の時代の求人は、ネットで探してネットで応募、チャットでやり取りをして仕事は自宅で行えるようになった。
コロナ禍の影響もあり在宅での仕事の報酬額が上がった。
持病がある私はひとり働き方改革をし、令和の仕事はネット上で全て進めている。

雇用期間の定めどころか試用期間も履歴書提出すら、もはや無い。
クラウドソーシングサービスを使えば、仕事をするのに依頼主には住所も名前も伝える必要が無い働き方が出来る時代なのだ。
空いた隙間時間にだけ働くアプリも存在し、私がかつて何の判断もつかんと思っていた2週間よりも、もっと短時間でもっと身元不明な人間がスキルのみを買われ、拘束時間の自由さを己で選択しながらサクッと働いている、それが令和。

しかし令和の都合のいい働き方には、安定は無い。
納期と報酬が決まっている仕事案件を都度契約して案件数を調節すれば、金銭面や休日などは自分の思い通りに出来る。
会社の上下関係などの煩わしさも面倒なことも殆ど無い代わりになのか、だからこそなのか、安定が無いのだ。

スキル向上の努力をし続けても継続契約になる保障はないし、同じ仕事が安定的に案件としてあがるわけでもない。
社会的信用に乏しい自由業、もしくは一匹狼のフリーランス。
職業も職種もバシッと答えられない。
多種多様に職種をかじって仕事をこなす何でも屋。

職安、つまり職業を安定させる所を通さない雇用とはそういう事なんだな、と思う。
職業安定所
「まさにソレ!」と膝を打ちたくなるネーミングではないか、職安。
働き方改革をして、まさか自分が公共職業安定所の名前に納得の感情を抱くとは思わなかった。

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