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オシャレのポイントを絞りすぎてるオシャレ野郎を見つけながら街ブラをしてる

何十年着てるんだというくたびれたジャージを着てる友達のオシャレのポイントが靴で、毛玉が出来まくりのもはやジャージを超えたジャージを着ているのに履いてる靴が5万円もするのだ、と熱弁する男がいた。

「靴だけが浮くだろうよ」と私が感想を述べると同じ感想を持っていた男の曰く「いいや、それが。違うねん実際は」

彼も、靴だけが浮くのだろうと考えていた。
どころがどっこい実際に見てみたら、ジャージが靴の価値を10万にするそうな。
5万円の靴のおかげで毛玉ジャージが映えることはない。
ジャージのおかげで、靴の価値が跳ね上がる。
「浮く」なんてどころか不自然極まりなくて、輝きが増して見えるらしい。
5万円の靴は何も作用してないのに、他の要素が靴を集中して高めるすんげぇ作用が起こるのだ、実際には。

キレイに手入れされた高価な靴を履くきったないジャージの男。
もしかして「オシャレ上級者」てコッチなのかな?

まるでモデルみたいとどっから見ても全身がオシャレに見える人を「オシャレ上級者」と思っていたが、5万の靴を10万に魅せるようにジャージを熟成させられる人が真の「オシャレ上級者」なのかもしれん。
なんというセンスだと思い、会わせてくれと頼んだがその友人ド人見知りにつき交流が不可だったので会わせてもらえなかった。

「そいつ絶対に靴だけは誰にも触らせへん、て言うねん」
そもそも人との交流を避けているのだから触られようがないと思うが。

オシャレのポイントを靴に絞って異様に靴が輝いて見えるコーディネートのオシャレ上級者の男が人知れず街を闊歩している可能性がある。
そんな「こだわりのオシャレ人見知り野郎」を見つけながら私は街ブラをしている。

#創作大賞2024 #エッセイ部門

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