一筆啓上 §4 "4月中旬の決意"
コロナ禍も相まってすっかりご無沙汰だった、「リアルの場で人と繋がる」ことに向き合う機会が増えている。ここ数年オンラインが中心だったものが、地域コミュニティでも、自分の仕事の場でも、元の形に戻ってきている。その一方で、例えば遠方同士が集まる会議のような「オンラインの方が都合良かった集まり」を、リアルに戻す流れもある。確かにこの数年で実際に会うことの大切さも痛切に感じたけれども、改めて「で、どっちが良かった?」と考え直す機会があっても良かったんじゃないかとも思う。
先だって、地元のとあるイベントに参加した。ドを数個足してもなお言い表せないくらいの田舎にも、さまざまな方面で「なんかおもしろいこと」をやっている人が沢山いるのだなと気付かされた1日だった。田舎の小さなコミュニティになると、彼らが「なんか変なやつ」に勝手に置き換えられ、敬遠されてしまうことが、往々にしてある。実にもったいない話だ。都市部の方が芸術を嗜む人の数も多く、また目に触れる機会も多いはずなのだけれど、それにもかかわらずこうした場所を選んで活動しているということは、その人なりの解釈や魅力があるはず。1度外に出て、田舎と街場、どちらのマインドもわかる(つもり)の自分にできることは何かあるのだろうかと考えさせられた部分もあった。
そんな刺激を受けたからか、このところ自分でも「やっぱ、手を動かさなきゃダメだな」という衝動に駆られている。いや、これは数ヶ月に一度表出するもの。とはいえ、現職についてからというもの、特別早起きして何かをするわけでもなく、かといって帰宅してからはスマホ片手にゴロゴロするなどと、おおよそ「手を動かす」には程遠い体たらく。とりあえず、身の回りにあるほったらかしていたモノやコトを、手放すなりリニューアルするなりを進めている。モノを減らした分ひとまわり小さいカラーボックスに置き換えて空間を作り、机に積み上がった雑誌やら資料やらの紙ものたちも、スクラップしたり、スキャンしたりで整理する。いつかやろうと思っていた、叔父からもらったコンポのセッティングもやった。やっと繋いだ、と思ったら音が出ない。専門店に持って行ったら、スピーカーが壊れてた。3マス戻る。
…とまあ一通り気持ちよくなったところでふと気づく。これ、「テスト前にやたら部屋掃除するアレ」と一緒じゃん…。
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