20歳の君へ

2000年11月25日 午前4時20分
2830g の女の子が誕生しました。

分娩中に心音が低下し、
焦る先生の声、バタバタ動く看護師さん
産まれてきてもしばらく声をあげなくて
生きた心地がしなかったのを覚えてる。

あれから20年
あなたは健康に育ってくれました。

いつも家族を見回し
自分のことは後回し
どれだけの気持ちと言葉を
その心にしまい込んで蓋をしてきたんだろうね

ごめんね

肝心なとこが頼りなくて
あなたの前ではつい甘えてしまう
泣き虫な私の背中を
何度さすってくれただろう

辛かったのは私じゃなく
あなたのはずだったのに

「わかってる。大丈夫」
そう言って一緒に泣いてくれたのは
いつもあなたでした。

あなたが現れた日から
私の世界は変わりました。


私がなんとか母親でいられたのは
私の元にきた赤ちゃんが
あなただったから

一緒に過ごした20年は
どれもかけがえのない
大事な大事な時間の積み重ね

泣いたり怒ったり笑ったり
うるさい母親だなって
嫌になった日もあったやろなぁ

沙弥
20歳のお誕生日おめでとう

たくさんの情報と選択肢の中で
自分にとって大切なものを
しっかり選び、掴みとってくれるように

その願いを込めて
あなたにその名前をつけました。

あなたなら大丈夫
だってお母さんの子やもん

いつかあなたが全力で気持ちを傾ける相手にバトンタッチするその日まで、
もうしばらく側でワガママ放題の母親でいさせてください。


立派じゃなくていい
心から大切な仲間や場所に
巡り会ってくれますように


20歳のキミへ

愛してるよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?