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証券分析(3)

ここからしばらくは債券に関する内容で、正直いうと債券に投資しない私のような個人投資家としてはそれほど面白い内容ではない。とはいえ、中身を読んでいくと面白い箇所も所々見かける。

優先株と一般株を一括した分類に反対
これは学びとは直接関係内が、10年ほど前にメザニンと呼ばれるハイブリッド証券(優先株・劣後債など)が流行った時期があったことを思い出した。80年も前からこういう話があったことに驚きもあり、面白さも感じる。

一般的に言えば脆弱な企業の優良債券は存在しない
これは債券の選び方に関する記述に出てきた言葉である。財務体質が脆弱な企業の抵当付き債権よりも財務体質がしっかりしている無担保社債を選ぶべきと述べている。
この言葉はまさにサブプライムを連想させるご指摘である。サブプライムから組成された債権は例え一番安全とされるシニアトランシェであっても結局優良債権となりえないのである。

投資に保険はかけられない
この指摘は今まで自分の中にない観点であった。投資元本を高いリスクにさらしてまで追加的リターンを得ようとするのは、個人が保険会社になるのと同じ行為である。
つまり、保険料(追加的リターン)をもらう代わりに、不幸なイベントが起きればその付けを全部支払うことになる。これは世間一般の常識的なやり方と正反対だと著者は指摘する。通常では、個人はわずかな保険料を支払い、火災や不幸から財産を守るものだ。

配当可能な利益が十分あるのに無配の企業については、とりわけ注意深くその原因を調査しなければならない
このような企業は隠された損失や欠陥があるのではないかと著者は指摘する。今はハイテク株を中心に高い利益を出しながらも無配を続ける企業が多い。その状態は高い成長性や収益率などによって正当化できるのであれば特に問題はないが、果たしてそうなのかどうかは確かに吟味する必要がある。もちろん配当を出す会社はいい会社とは一概には言えない。



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