証券分析(1)

最近はベンジャミン・グレアム/デビッド・ドッドの「証券分析」を読み始めた。1934年版とあるので事例などかなり古い内容ではあるが、学ぶべきことが多い内容でもある。自分のメモを兼ねて、自分に刺さる言葉を残していきたい。

”投資というものが本来的に厳密な科学ではない”
これは第1章の第1段落に出てくる言葉である。私は経済学を6年間学び、学生時代は有意義ではあった一方、ずっと感じていたのはまさにこの言葉である。投資のみならず、経済学そしておそらく他の多くの社会科学といわれている学問は厳密な科学ではないと感じる。もちろん、だからそれの学問の価値が低いというわけではなく、ただこれらの分野にその特徴があることを念頭に置くべきである。

”投機において証券分析は補助的な役割であり、運がなければ無価値である”
投資と投機の違いについて本書は後に一章を割いて論じているが、その分類はなんとなく理解できるものの、はっきりした区分は難しい。だから、本書は"投機において”とあるが、個人的には投資も同じように思う。もっとも、投資・投機に限らず何かを成功させたければ、運という要素は常に必要不可欠と思う。

”株式市場ではその企業の経営能力というものを2回評価する傾向がある”
これは言われてなるほどと思った。優れた経営によってもたされる好業績で投資家の評価を得られる。さらに、その優れた経営者または経営方法が市場に好感されるため2重で高評価を生み出す。言われてみれば自分も最近似たような理由で高値掴みした思い出がある。

”トレンドは質的要因”
過去の業績や伸び率など一見数値で表されて、恣意性の入る余地がないよう思えても、期間の取り方や将来の伸ばし方に心理的かつ恣意的な要因が介在する。だから、現実には「質的要因」であると考えるべきである。


原書を読まずにこのメモを読むと、理解に苦しむ点は多々あるかもしれませんが、ご興味があればぜひ原書をご一読ください。ご意見・アドバイス等あればなおうれしく思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?