見出し画像

足跡

地面に足跡を残しながら歩く男を見た

かなり砂の積もった地面だったのだろう、男の足跡も深く、濃ゆくついていた。

もし、小さい女の子や、ネズミがその地面を走り回っても、そんなに大きな足跡は残らない。


いまの自分はどうだろうか。

自分の後には、大きな足跡は残っているだろうか。

そもそも、自分は前に進んでいるのだろうか。

深く砂の積もった地面の上を、

どれだけ歪な形でもいい、なんなら引きずり跡のような轍でもいい、疲れた日は寝そべりながら転がってもいい、

少しずつ、それでも強く、濃ゆく、風が吹いても消えないような、そんな足跡を残せ

簡単には消えないような、雨が降ったら水が溜まるような、他の人が足を取られるような、

そんな足跡を残せ

足跡を残さなければ、自分が前に進んでいるのかさえわからない

足跡を残せ

強く、深く、歪な、足跡を残せ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?