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Zero 7 1997-2001年(感想)_雑多なジャンルを取り込んで洗練させたダウンテンポ
Zero 7は、Sam HardakerとHenry Binnsからなるプロデュース・ユニット。
Folk、Jazz、HipHop、Soulなど雑多な音楽を取り込んだダウンテンポの楽曲が多く、チルアウトというよりはクールダウンに向いている音楽だと思われる。
以下2001年までにリリースされたアルバムといくつかのシングル、リミックスをピックアップした感想などを。
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Climbing Up The Walls (Zero 7 Mix)/Radiohead (1997年)
エンジニアとして活躍していたSam Hardaker&Henry BinnsによるZero 7名義での最初のリミックスは、Radioheadのリリースしたシングル「Karma Police」のB面に収録された、Climbing Up The Wallsのリミックス。
Thom Yorkeの危うい雰囲気のヴォーカルを残しながら、原曲のザラついた質感がマイルドなダウンテンポの曲に仕上がっており、既にZero 7らしくまったりと聴かせるスタイルが確立されている。
ちなみに、カップリングはFila Brazilliaによるミックスが収録されていて、こちらも気怠くていい感じ。
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To Ulrike M. (Zero 7 Mix)/Doris Days (1998年)
スウェーデンのバンド、Doris Daysの曲がブレイクビーツにリミックスされており、Zero 7にしてはテンポが速め。
存在感のあるシンセ・ストリングスの質感や線の細い女性ヴォーカルが印象的。
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Love Theme From Spartacus (Zero 7 Remix)/Terry Callier (1998年)
60年代から活躍するシカゴのソウル・シンガーTerry Callierの曲のリミックスで、レーベルはTalkin' Loudから。
渋いヴォーカルの存在感が強くてそれを邪魔しない好ミックス。スピリチュアルで、初期のZero 7によるリミックスでは一番好きな曲かも。
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Up With People (Zero 7 Remix)/Lambchop (2000年)
ナッシュビルのカントリー・バンドLambchopの曲をリミックス。
カントリーならではの牧歌的な雰囲気を、Zero 7ならではの耳あたりのよいサウンドに仕上げられていてアコギのアルペジオが印象的。クラブ・ミュージックと遠いジャンルにある音楽をきれいにまとめているのは流石で、多幸感のあるこれも好ミックス。
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EP (2000年)
Zero 7によるセルフ・リリースのデビューEPは5曲入り。エンジニアとしてのキャリアがあったこともあり、楽曲の完成度は既に高い。
男性のファルセットが印象的な「This World」以外は、インスト曲となっている。
浮遊感のあるシンセ・サウンドはアメリカ西海外の音楽にも印象が近く、5曲全てがセンスの良いダウンテンポで心を落ち着かせてくれる。「Lo」「One Arm Break」は1stアルバム未収録。
Zero 7の音楽は単体でも好きなのだが、激しめのクラブ・ミュージックの後などに聴きたくなるような、くアフターアワーのクールダウンに最適な音楽でもあると思う。脂がのった肉を食べた後に、口の中をリフレッシュさせるために野菜を食べたくなる感覚に近い。
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EP2 (2000年)
4曲入のEP。これ以降のZero 7のリリースはUltimate Dilemmaレーベルからが続く。
悲しげなラブ・ソング「Distractions」のヴォーカルにはオーストラリア出身のシンガーSiaが参加。気怠くてクセのある声質とまったりとしたダウンテンポの組み合わせがやたらと合っている。
少ない音数でありながら、存在感のある音の組み合わせが美しい「Polaris」も素敵。
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Simple Things (2001年)
デビュー・アルバムの収録曲はリリースされた2枚のEPにいくつかの曲が足され、これまでの雰囲気が踏襲された穏やかな1枚となっている。UKアルバムチャート28位。
The Peddlersのカバー曲となる「I Have Seen」では、存在感のあるMozezによるヴォーカルとストリングスの組み合わせが美しい。
ゆったりと刻まれるリズムと様々なジャンルから取り込んだ音には、スピリチュアルでフォークロアな印象があって、時代と共に風化しない普遍性とセンスの良さも感じさせる名盤。
本作は2018年にリミックス、ライブ曲、B面曲を収録したSpecial Editionもリリースされている。
それらの曲では、Sophie Barkerの儚げなヴォーカルの印象的な「Spinning」や、音をブツ切りにした「End Theme (Herberts Chop Dub)」も良かった。
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Destiny (2001年)
SiaとSophie Barkerのコーラスの美しいDestinyがシングル・カット。
原曲の雰囲気を壊さず、繊細に仕上げた「Destiny (Hefners Destinys Chill) 」が心地よくて、どことなくエキゾチックなSimianのリミックスも変則的で趣があって良い。
シングルには収録されていないと思うのだけど、この曲には「Destiny (Acoustic Mix)」も存在していて、少ない音数にアレンジされてこちらはチルアウト出来る。
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In The Waiting Line (2001年)
ブレイクビーツで踊りやすいトラックになった「In The Waiting Line (Dorfmeister Con Madrid De Los Austrias Dub)」のかっこ良さが抜けていて、やたら存在感のあるベースラインと、ヴォイスサンプリングされたSophie Barkerの声ネタがクセになる。
1stアルバムに収録された曲には、いくつものリミックスが存在しているけれど、この曲が最もフロアユースだと思う。
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Distractions (2001年)
これも1stからのシングルカットで、しっとりとしたジャズっぽい雰囲気の「Distractions (Madlib's YNQ Mix)」も良いけれど、Siaの気怠い声と乾いた質感のブロークンビーツの相性が良い「Distractions (Bugz In The Attic Remix)」も好き。
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