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美術展の感想

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#美術展

あやしい絵展(感想)_美醜をあわせもった絵画を覗き見する

あやしいをテーマにまとめられた近代絵画 2021年3月23日から、東京国立近代美術館で開催されていた『あやしい絵展』に行ってきたのでその感想を。 幕末~昭和初期にかけて退廃的、妖艶、奇怪、神秘的、不可思議 といった要素をもつ、あやしい絵画が年代ごとに展示されていた。 展示タイトルに、平仮名の『あやしい』が使われているのは、怪しい、妖しい、奇しい の複数の意味を含ませてのことだと思われる。  主に美しい女性をモチーフにして、愛、絶望、嫉妬、死、諦め といった感情を想起させる絵

20世紀のポスター[図像と文字の風景](感想)_幾何学デザインによる機能的なポスターの美しさ

2021年1月30日から、東京都庭園美術館で開催している20世紀のポスター[図像と文字の風景]展へ行ってきたので、その感想などを。 本展に展示されるポスターは、1920年代以降ヨーロッパの幾何学的なデザインを扱った「第1章:図像と文字の幾何学」、それら構成的デザインをルーツにもつ「第2章:歴史的ダイナミズム」。 それらに逆行するような1970年代以降のポスターを展示する「第3章:コミュニケーションのありか」の3章に分けて展示されている。 要約すると、旧朝香宮邸には幾何学的な