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おむつなし育児

グリスティン・グロスロー著、和田知代訳の「おむつなし育児 あなたにもできる赤ちゃんとのナチュラル・コミュニケーション」を読んだ。
おむつなし育児はトイトレではなく、排泄を通じて赤ちゃんとコミュニケーションをとることだ、結果ではなく過程を楽しむのだと何度も書いてあった。何度も言い聞かせるように書いてあったので、そんなにトイトレとおむつなし育児を差別化したいのだろうか、なんか世の中のお節介なおばさんたちに酷いことでも言われたのだろうかと思ってしまった。トレーニングと言うとどうしてもストイックに聞こえてしまうので、もっとゆるい考え方で無理せず赤ちゃんと授乳とかだけじゃなくて排泄の時間も楽しもうよということを言いたいのだろうか。「おまるに赤ちゃんをささげることで、赤ちゃんと排泄を通じてのコミュニケーションがとれて楽しくて嬉しい、それを続けることができたなら、それは赤ちゃんが自分で排泄コントロールができるようになることに繋がるし結果トイトレにもなる場合もあるのよ」でよいのではないか。まぁ、私はおむつなし育児を普及しようとか考えてないので定義とかはどうでもいいのだけど…。
おむつなし育児の考え方はとても面白いと思う。実際、今年甥が産まれて紙おむつにふんばっているのをみて、今おまるをささげたらウンチをキャッチ出来そうだと思ったから、おむつが1日2、3枚でも浮いたらラッキーだよなぁという軽い気持ちでホーローおまるを購入した。自分自身人の気持ちをくむのが苦手だと自覚しており、子育てをしていくうえで娘の気持ちをわかってあげられるのかなぁと不安しかなかったが、もし娘のサインをくみとってウンチがキャッチできたならちょっとは娘の気持ちをわかってあげられたのか⁈とハッピーになれると思う。
トイトレではないと言いつつ、おむつなし育児体験談を読んでると結果的に早くオムツが外れる子も多いみたいで自慢気に書いてあり、それはやっぱり誇らしいことなんだろうと思う。そりゃ、早くオムツがはずれればおむつ代も手間も減るから嬉しいだろう。でもそれをはじめから期待してしまったらしんどくなるし、しちゃいけない。あくまでコミュニケーションを楽しむ、それって難しいことだよなぁと思った。


以下、本の内容のメモ。

おむつなし育児って何?

・赤ちゃんは生まれつきおむつの中で排泄することになっているわけではない
・赤ちゃんは自分の体を排泄物で汚したくない=おむつの中でしたくないという本能を生まれつき持っている
・赤ちゃんのオシッコやウンチをするサインを読み取り、どうやってそれに応えてあげるか、排泄を通じて赤ちゃんとコミュニケーションをとる
・他の子どもよりも早くトイレトレーニングをするのが目的ではない、おむつなし育児はコミュニケーションのプロセスであり結果ではない
・子どもの排泄の欲求を感じ取るということは、子どもの睡眠欲求や、食欲を感じ取ることと同じ
・「フルタイム」「パートタイム」「時々やる」の3つのおむつなし育児をやりやすい方法で、家庭や赤ちゃんの状態に柔軟に対応しながらやる
▶︎フルタイムおむつなし育児
生後まもなくはじめる方法.夜も含めて一日中なるべく赤ちゃんにトイレやおまるで排泄させるチャンスをつくる
▶︎パートタイムおむつなし育児
オシッコとウンチどちらでもできるものを、できるときにキャッチする
▶︎時々やるおむつなし育児
1日のうち1回だけとか時々やる

生後〜3ヶ月期のおむつなし育児

・新生児期はオシッコ・ウンチの回数が多くて、排泄を通じて赤ちゃんと繋がれるチャンスがいっぱいでラッキー
・赤ちゃんにオシッコ・ウンチをさせるポーズで抱っこした時に大人が決まった音(シーシー、シューシュー、ウーン)を出してあげる
・合図→排泄という赤ちゃんとのコミュニケーションがおむつなし育児の基礎
・生まれて間もない赤ちゃんの排泄ポーズは下から抱きかかえてささげるポーズ
・「見逃しちゃった」時こそ、赤ちゃんがどんな様子だったか思い出してみて記憶に留めておく
・生まれたばかりの赤ちゃんはオシッコ・ウンチをすることに苦痛を感じる子もいる、オシッコ・ウンチをしたくて泣く子もいる

◎新生児が好きな排泄ポーズ
・赤ちゃんを下から抱きかかえるようにして、大人がトイレと対面する形で座ってさせる
・おまるのうえにささげる
・赤ちゃんを腕に抱っこしてお尻の下におむつをしいてその上でさせる

◎赤ちゃんの主な排泄サイン
・ツバをプープー出す
・おならをする
・モゾモゾする
・体を緊張させる
・様子がかわる(突然騒ぎ出す、何か喋っていたのに黙る、落ち着かない)
・タイミング(寝起き、外出前後)
・体を震わせる
・足で蹴る
・あなたをじっとみる
・授乳中に乳首をくわえたり離したりする

◎よくある排泄タイミング
・寝起き
・抱っこひもやチャイルドシートから降ろされたとき
・授乳直前、直後、授乳中
・おむつ交換でおむつを開けた時

生後3〜8ヶ月のおむつなし育児

・首も座り、コミュニケーションしやすい時期
・排泄タイムがあなたとの楽しい触れ合いの時間だということを赤ちゃんが理解できるよう工夫する
・嫌がったら無理に進めない
・おまるやトイレに座っている間は歌を歌ったり、お話をして楽しむ
・おまるに座らせた赤ちゃんが遠くをみているような、どこか上の空のようならそれはおそらくオシッコは出ない
・この時期は一晩中オシッコしないでいられることは、まずありえない(1歳ごろから睡眠中に抗利尿ホルモンが分泌しはじめ就寝中長時間オシッコをしなくなる)ので、オシッコしたくて目がさめるならさせてあげてもよいし、寝たままオシッコする子は睡眠を優先しても良い。
・夜間に排泄欲求を感じても赤ちゃんに目を覚ましてほしくない時はそのまま放っておく.次の成長段階でオシッコしたくなると夜中でも目を覚まして排泄を手伝ってほしいと要求する、もしくは寝ている間はオシッコをしなくなる
・赤ちゃんのサインはしょっちゅう変わるし、出さないときもある

◎赤ちゃんの排泄のサイン
・突然騒ぎ出すかモゾモゾし始める
・興奮する、蹴る
・抱っこされていると仰け反る
・うつろな表情やしかめ面をする
・ある決まった音をだす
・おまるやトイレのドアを見つめる
・手話のような身ぶりで「おまる」を表現する
・タイミング(食事直後、外出前後、寝起き)
・体を震わせる
・ガスをだす
・「お知らせオシッコ」をだす
・「幻のオシッコ」現象がおこる

◎排泄ポーズまとめ
・トイレやおまるの上でささげる
・赤ちゃんをおまるに座らせる
・赤ちゃんを前に抱きかかえながら親が便座に股を開いて腰掛けさせる
・幼児用補助便座に座らせる

◎オシッコ・ウンチのチャンス
・寝起き
・授乳中、授乳後
・食後
・外出前後
・抱っこひもやチャイルドシート、ベビーカーから降ろした直後
・おむつ交換時
・入浴前後
・寝る前

生後8〜12ヶ月期のおむつなし育児

・おまるやトイレでじっと座っていられなくなる
・おまるに座るのを嫌がったらトイレにしてみる、逆もしかり、おもちゃを変えてみるのもアリ
・嫌がる場合は無理にせずに、おまるとぬいぐるみで遊んでみる
・動けるようになって、トイレやおまるで排泄するよりも、遊ぶことの方が楽しくなるおまるイヤイヤ期が訪れる

◎おまるイヤイヤ期には
・見逃しを気にしない
・おまるの位置をかえてみる
・排泄時の反応をちょっと大げさに「よかったね!気持ちいいね!」とする
・おまるかトイレか、パンツかおむつか選ばせる
・親はストレスをためず、リラックスする、一度後退してもよい、1日1回に減らせばいい
・イライラや期待は赤ちゃんに伝わる
・排泄コントロールに関する赤ちゃんの身体感覚を失わせないように、合図は出しつづける

◎コミュニケーションがうまくいかない原因
・成長過程での大きな変化(歯がはえる、ハイハイ、歩き始める、話し始める)
・病気や体調不良、怪我
・自我の芽生え
・行動を邪魔されて抵抗している
・変化をもとめている
・よその赤ちゃんがいる、来客がある
・引っ越し
・夫婦の不仲
・旅行

生後12〜24ヶ月期のおむつなし育児

・独立心や自我が芽生えてより主体的に参加してくれるようになれば赤ちゃんに任せて(親は手助け)
・トイレで排泄することは一生行う当たり前のことなので、ご褒美の対象ではない、褒め方に気をつける、親を喜ばせるためにすることにしない
・赤ちゃんの排泄に関することは全て、赤ちゃん自身の幸せのためにやっていることだと理解してもらう
・トイレでできて気持ちいいね!よかったね!と認めてあげる
・トイレへ連れていくのではなく、自分で歩いてもらう
・トイレトレーニングを早く終わらせるためにおむつなし育児をやるのではない
・おむつ離れがはやければ早い方がよいわけではなく、子どもの発達スピードにあわせておむつ離れは行う

◎1歳児のオシッコ・ウンチのサイン
・トイレ、オシッコと言う
・足元を見つめる
・股の間をギュッとつかむ
・トイレへ向かって走る
・動きをとめる
・何らかのサインを送る
・おまるやトイレに乗ったり遊んだりする
・パンツをさげる
・うなる
・メソメソしたり甘えてきたりする
・抱っこをせがむ

◎1歳児のおまるイヤイヤ期対策
・別のおまるに変えるか、戸外でさせてみる
・おまるではなくトイレにする
・新しいおまるを選ばせてあげる
・おまるの位置をかえたり、別のトイレでさせる
・おむつなしをいったん停止し、おまるを勧めず、赤ちゃんの主体性に任せる
・親がトイレで排泄する様子を見せて説明する
・ぬいぐるみにシーシーの合図をする遊びをする
・他の子がおまるやトイレを使う様子を見せる