Rock Novel「ビーナスの弟」
「ビーナス姉さん〜おはよう〜」
「あら、トム〜あなたなー今日は
珍しく早いわね〜いつもお寝坊さんなのに。」
「昨日は泡のお風呂に入ってシャンパン🍾
飲んで貝殻のお布団でゆっくり休んで
気持ちがいいんだ〜。」
「そうだったの、それはご機嫌ね。」
「僕もビーナス姉さんみたいにもっと
美しくなれる?どうしたらいいの?」
「そうね〜ミルク貝の🐚ジュースを
飲んでね、一杯泳いで、肌は海ぶどうで
念入りに磨いて、それとね〜」
「まだあるの?」
「まだまだあるわよ、あとは髪のお手入れは
竜宮のつかいの尻尾の櫛でね!」
「え〜覚え切れないや!」
「こっちへいらっしゃい、あなたの
緑の黒髪をもっと艶々にこの櫛でとかして
あげるから。」
「あー気持ちいい〜死んでしまった
母さんに昔してもらっていた気がする」
「トムはね、私と人魚姫🧜♀️たちで大昔
救ったのよ。あなたは船の事故で🚢
両親と共に冷たい海に投げ出されていたの。」
「タイタン号でしょ?」
「そう、アイルランド🇮🇪のベルファストから
アメリカのNYへ行く途中で沈没した船よ。」
「僕は赤ちゃんだったから覚えてないけど。」
「そうよね?私と人魚達ののおっぱいで
育ったから海の底でも、生きていける身体に成長
して、美しい男になったわね。」
「でも、こんな海の底で何をこれから
すればいいんだろー?」
「私たちと永遠にここで暮らすのは
嫌なの? 平和なこの海の底で
何も不満はないはずでしょう?」
「不満は無いよ、人魚姫と🧜♀️一緒だし
でも、何か僕地上でやるべき事が
ある様な気がしてさ。」
「そう、それを恐れていたのよ。
その時が来てしまったのね。」
「やっぱりお別れしないといけないの?」
「あなたも18歳になって陸に戻る時が
来たのね。その美声としなやかな指で
人間を魅了しなさい。このポセイドンの
ハープを持って行きなさいね。これを
弾きながらあなたが歌えば〜さみしい💔人間
達の心が癒されるのよ。」
「それが僕の天命なんだね、
ビーナス姉さん〜」
「ええ、あなたがさみしくなったら
イタリアのフローレン🇮🇹スに
私の肖像画があるから、見に行きなさい」
「はい、もうすでにさみしい〜」
「じゃ、この真珠貝で出来た櫛と
イヤリング持ってって、髪をとくとき
きっと私や人魚姫の歌声が聞こえるような
気がするから」
「ありがとう😭」
「もう泣いちゃダメよ」
「うん、ビーナス姉さん!」
「行ってきます〜僕の命を救ってくれて
ありがとう〜」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うーん、あれ母さん?ここ何処?」
「何寝ぼけてるの?トムちゃん
昨日カウチで寝ちゃったのね?」
「ね、僕のご先祖様達ってさ、
アイルランドからニューヨーク🗽🇮🇪に
来たの?」
「そうよ〜よく分かったわね。
そうニューヨークのエリスアイランドの
台帳にキーファー ファミリーの
名前が記載されてたのよ。
最近見つかったの。」
「やっぱり!」
「どうして?」
「あ、なんでもない〜」
「今日はあなたの18歳のお誕生日🎂
おめでとう〜約束通りギター🎸買いに行きましょうね!」
「うん、母さんありがとう😊」
「あら、トムちゃん
その真珠のイヤリングと櫛どうしたの?」
「ほんとだ、姉ちゃんからのバースデー
ギフトかな?」
「それに、あの楽器なあに?」
「アイルランドの竪琴かな?
父さんが学校の歴史の授業で使うんじゃ
ないの?」
「そうかしらね?昨晩は無かったけど?」
「僕はここで長ーい事眠ってたから
覚えてないよー。」
「そうね、長ーい事ビーナスの貝殻の
中でミルク飲んで🥛育った様な
トムちゃんだものね。」
「え?」
「あなたが授かった時ね、ハネムーンで
パパとママはフローレンスで
『ビーナスの誕生』って言う絵画を
見てたの、だからきっと美しい女の子が
生まれるって思ってたんだけど、」
「美しい僕が生まれた!」
「(笑)そうよ、女の子以上に
美しいわよね。声もいいし、脚も長いし!
お勉強はちょっとね、パパもママも教師なのに
どうしちゃったのかしら?」
「すいませんね!おバカで。
でも僕の使命は音楽でこの、竪琴いや
🎸ギターで人間を慰める事だからね。」
「人間ってあなたも人間よね?」
「へへへ〜僕は超人!」
「あら、足があなたどうして
こんなに濡れてるの?海の香りがする!」
「やっぱり、ビーナスに育てて
もらってたのかな?僕」
(大笑い)
「あら!トムちゃんたら!
どんな夢見てたのかしらね。
ジミー ヘンドリックにでもなった
夢かしら?」
The End
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