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Rock Novel「シンデレラ物語」Red Roses💘

「いらっしゃいませ。
どんなお花をお探しですか?」

「うん、ワイフにヴァレンタイン用をね!」

「まぁ、素敵ですね。じゃ、やっぱり真紅の
薔薇🌹かしら?」

「ここの店名が『Fig Leaf 』って言うのが
運転してて目に留まってね、
入ってみたんだよ。」

「そうだったんですか!」

「うん、薔薇でも何かユニークなアレンジメント
してくれそうな気がしてね。」

「ありがとうございます♪失礼ですが、
音楽関係のお仕事している方ですか?」

「ああ、そうだよ。よく分かったね。」

「ええ、何となく。」

「いい、勘してるね、お嬢さん。」

「お嬢さんって言う年齢でもないんですが、
そう言って頂けると嬉しいです。」

「南部ではね、どんな女性にも
Young Lady!って皆声かけるんだよ。
女性が70歳でもね。ここナッシュビルに越して
来た時には驚いたけど。」

「なーんだ、糠喜びですね!あたし。。。」

「ははは〜 こりゃ失礼!
君は本当に若いよ、アジア人の女性の
年齢は分からないな。失礼しました。」

「あの、じゃお名前と職業を教えて下さったら
許してあげます。」

「え!僕のプロフィール?」

「トム キーファー 、元シンデレラ
ギターリストとボーカルとソングライター❣️」

「なーんだ、知ってたの?お嬢さん。」

「ごめんなさい。どんな有名人がいらしても
対応出来る様に一応、ナッシュビルの
セレブの方のお名前とお顔は覚えて
おこうと、この花屋をオープンする時に
おさらいしておいたんです。」

「僕、もう62歳だから、昔の写真と
ちょっと違うでしょ?」

「実はお髭も生えてたから、
一瞬違う人かなぁと思ったんですが、

「やっぱり!でもよく僕って分かったね?」

「トムさんのその長い綺麗な指と
大きな手で分かりました!シンデレラの
昔のお写真見てて、でっかい頭と手🫱の人
で覚えてたもので、、、」

「そうなんだ〜面白い事言う
人だね!名前何って言うの?」

「華です。日本語でフラワー」

「じゃ、フローリストにぴったりの
名前だね。」

「そうそう、『シンデレラ』って言う
薔薇が入荷してるんですよ!
それでヴァレンタインにお作りしましょうか?」

「そりゃ、ありがたいな。
そうだ、今度メンフィスグレースランド
でコンサートするんだけど、先日亡くなった
エルヴィスのお嬢さん、リサマリーの
お墓にお花送ってくれるかい?」

「スタンドのお花でしょうか?」

「君に任せるよ、リサマリーに
ぴったりな色で頼むよ!」

「淡いピンクって感じですね、彼女は!
私エルヴィスの大ファンなのでこんな
チャンスを頂けて嬉しいです。」

「これも縁だよね。あ、それからじゃ、
ジェフの日本人のお母さんジュンコ
さんにも。ヴァレンタインに、その
『シンデレラ』って言う薔薇🌹で。
ジェフからってカード添えておいて。」

「ジェフさんて、シンデレラのギター🎸
の人ですね。ナッシュビルで一昨年亡くなった。
ここの新聞で読みました。シンデレラの
キーボードの人も同じ日に癌で亡くなった
とか、、、」

「ああ、俺の兄弟以上の相棒でね。
ジェフ一人で淋しかったんだろうよ、
キーボードの奴も連れていっちゃうなんてね。」

「仲が皆さん良かったんでしょうね!」

「ああ、口論した事もないさ。」

「ロックバンドにしては珍しいですね!」

「そうなんだよ、華さん、」

「私、グレースランド
メンフィスにお花活けに行って、
トムキーファー バンドのコンサートも
見に伺いますよ。よかったら、楽屋の
お花も!」

「じゃ、サービスしてね!
その代わりチケットとドリンクはこっちが
用意しておくからさ。ワイフとバンドの
メンバーを紹介するよ、華さんに。」

「ありがとう、トムさん!」

「Thank you! Young Lady」

「(大笑い)」

「Happy Birthday Tomさん、
日本のファンを代表して、
私から貴方に真紅の薔薇🌹の花束
を贈呈致します。!」

「そりゃ、日本へも今年は🇯🇵行かなきゃ
いけないね!」

「是非❣️」

The End

2023年1月26日
ナッシュビルにて
トム キーファー 62歳 誕生日当日

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