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Rock Novel「シンデレラ物語」華と花瓶

「Hello! Who is this?」

「オレ!」

「リッチーかい?」

「今、ナッシュビルに用があって来てるんだ、
トムちょっと会えるかな?」

「ああ、じゃいつものバーで待っててよ。」

「All right!」


「どうなんだい?リッチー最近」

「まあまあかな?」

「そっちもジェフが死んじまって
驚いたよ。」

「ああ!まったくね。もっと僕が声かけて
やればよかったんだよな。そばに住んでたんだからさ。アイツがギター🎸弾けなくたってもさ。」

「難しいよなぁ、男同士って言うのはさ。
特に元仕事仲間ってのはさ、女はこんな時
どうするんだろうか?」

「女は仕事以前に人間関係の生きもんだから、
何だかんだ、『元気出して〜』って、憎んでた奴にも花送ったり出来るんだよね、💐理解できないけどさ。」

「謎だね、女って魔物は!」

「リッチーの口から出ると、ほんとその言葉真実味あるな〜。」

「ハハハ〜そうだろ〜俺は探究者なのさ!」

「で、話ってその元同僚の事?」

「ああ、アイツ大丈夫かな?トムの
声直してくれた、ロン アンダーソン先生
が生きてたらな〜。」

「僕もアクセルもあの先生には
お世話になって今があるからね。ジョンにも
行って欲しかったな。」

「うん」

「でも、リッチー何か気持ちに変化が
あったから、僕に電話くれたんでしょ?」

「今アイツの所に戻らないと
もうチャンスは無いかなと思ってさ。
俺がジェフみたいになっちまったら
遅いだろう。」

「そっか、決心してくれたんだ。」

「お前、どう思う?」

「うーん、80年代シンデレラとボンジョビが
いつもツアーで周っててさ、リッチーとジョンの事さ、横で見てて思ってた事があってね。」

「へーそりゃ、何だい?」

「うん、リッチーが花瓶でジョンが華だよなぁ
ってね。どっちが欠けても成り立たないよなぁ
って見てたよ、眩しい君たちが、僕はいつも。
羨ましかった。」

「そうだなぁ、トムお前さんは
花であり花瓶でもあるからね!
大変だったよな、1人で、孤独だったろう?」

「うん、その通り!自給自足が祟って声が
全く1991年には出なくなった。リッチー
みたいな歌えて、弾けて、ソングライティングも
出来る相棒がいればなぁってちょっと
思ったね。」

「今の俺は、美術館のショーケースに
飾られた、オブジェの花瓶ってとこだなぁ。
見られてるけど、役にはたってない!」

「気づいてくれて、ありがとう😭
それを僕も今日は言いたかったんだよ。」

「うん、じゃ花🌼の所に戻るとするか!
新鮮な水をたっぷり、アイツに吸わせてやるよ。花も生きかえるだろうよ。」

「ああ、これでジョンも復活できるね!」

「その時はトムも一緒に舞台に立ってくれよ、
またボンジョビとあんたのバンドと
リユニオンだ!スキッドロウ も
ニューアルバム出したし、呼んでやるかな?」

「セバスチャン バックは?」

「あの、ガキ大将はアクセルがついてるから
大丈夫だろう!もうアイツは西海岸の
一員だし、ほっておいてやろう。来たら
来たで色々うるせいしな。」

「ハハハ〜セバスチャンはラスベガスに住んでるらしいね、アイツにお似合いの所だ。」

「結局シンデレラ、ボンジョビ、スキッドロウ
この三兄弟は東海岸から離れず頑張って来たもんな。
俺も故郷のニュージャージーにまだ住んでたらな
って思う時があるよ。」

「マリブはどうだい?」

「カリフォルニアはこれからどうなるん
だろうなぁ?今経済も政治も混沌としてるしさ。
ハリウッドの芸能人もテキサスやラスベガス、
タックスヘイヴンに移りつつあるよ。」

「そうみたいだね。」

「俺は何処でも暮らせるけどな、
今、自由の身だしね!」

「ほんと〜? おーい マイアミ バイスの
ドン ジョンソン色男〜いつまで自由かな?」

「ハハハ〜(大笑い)」


2023年
ナッシュビルにて

元シンデレラ トム キーファー
元ボンジョビ リッチー サンボラ

リッチー サンボラ
トム キーファー


シンデレラのジェフ ラバー 
トム キーファー  1986年デビュー当時

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