Rock Novel 「シンデレラ物語」Rise 再起動！

「もしもし、トムかい？」

「どなたですか？」

「KISSのジーンだ？」

「あ、ジーンさん、コロナで陽性って
お聞きしましたが、大丈夫ですか？」

「ありがとうよ、心配かけたな。
あ、俺は大丈夫なんだが、ポールの長年の
ギターテック🎸がコロナで逝ってしまってね、
参ってるんだよ。そっちも相棒のジェフが
大変だったそうだね、それとKISSとシンデレラ
両方に居た事がある、キーボードのギャリー
も、お互いご愁傷様。」

「ありがとうございます😭
お互い色々ありますね。そろそろこっちも
再起動で来年のツアー組んでた
所なんですがね、キッスとボンジョビのとこも
陽性って聞いて、慎重にやらないといけないな
と思ってた所です。来年2月にはアリス
クーパーとフロリダでロッククルーズもありますし。」

「今日はそのツアーの事なんだけどね、
年末ラスベガスでKISSの常駐コンサートが
キャンセルになってしまってさ、
ドイツのスコーピオンズ🇩🇪が3月から
同じ、カジノで常駐あるんだよ。
良かったら一晩だけ、KISSとシンデレラと
スコーピオンズでジャムやらないかい?」

「いいんですか？　嬉しいオファーですが。
スコーピオンズのクラウスとも一緒に昔
ロシアで歌って懐かしいなぁ。ジェフが死んで
しまって、シンデレラの名前は封印ですが、
トム　キーファー バンド名義なら参加出来ますよ」

「ああ、勿論いいさ！トム　キーファー 再起動
って事でさ、俺もちょっと手伝えたら
本望だから。日本にもまた行きたいんだよね」

「ええ、シンデレラのアルバム『ナイトソング』も35周年で再発売されるんですが、ボーナスに日本でのライブ盤が付いてるんですよ、また日本のファン
にも会いたいですけどね。俺の事覚えてくれてる
んだろうか？」

「日本人にお前の音思い出させろよ！
奴らは義理堅いから
きっと覚えてくれてるさ。キッスだって一時期
全然日本ツアーやってない時期があったけど
あたたかく迎えてくれたぞ！
お前さんたち、最初は日本のメタルバンド
ラウドネスの前座からスタートじゃなかった
かい？俺の記憶が正しければ。」

「ええ、良く覚えてらっしゃいますね。
さすが！　そのラウドネスともロッククルーズで
一緒なんですよ。日本の状況とか聞いてみようかな
ギター🎸のタカサキに。」

「ああ、奴のギターテクも凄いよな。お前さんも
日本でラウドネスとまたツアーでも出来たら
いいな！俺とお前が出会ってかれこれ40年
近いもんなぁ、ニューヨークの俺の家に
来てくれたよな。」

「そうですね、その節はどうも。
40年ですか。信じられませんよね。ところで、
ラスベガスの居心地はどうですか？」

「それなんだが、もうあの家売りに出しててね。」

「え、越したばかりなのに？」

「ああ、ワイフも子ども達もラスベガスの
夏の暑さに慣れなくてね、税金も安くて
俺は気に入ってるんだけどね。」

「で、じゃ次は何処に？」

「トムが住んでるテネシー州かテキサス
辺り？」

「ナッシュビルもテキサスも税金が安いから
俺たちの商売にはピッタリですよね。
スタジオもミュージシャンも沢山居ますから
レコーディングも、し易いしね、待ってますよ。」

「ギターテックいい奴いたらポールに
紹介してくれよ！」

「ええ、誰か探してみますよ。
また連絡します。」

「お、じゃ、お互いのマネージャー通して、
ラスベガスのギグの日程詰めていいかい？」

「はい、お願いします。」

「じゃあな、お互い身体に気を付けような！
ワイフ以外にKISSはダメだぞ！」

「え、それをジーン　シモンズに言われたくないなぁ〜」

「ハハハ〜　そりゃそうだ！参った参った！」

The End

ジーン　シモンズ72歳
トム　キーファー 60歳
2021年　秋