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Rock Novel「シンデレラ物語」1990 Tokyo Dome Countdown


「トム〜いい加減リハ終わらせてくれよ、
俺たちの時間が押してるんだ〜。」

「ジョン 悪いなぁ もう15分だけ
コーラスとサックス🎷の所合わせないと
ヤバいんだよ。」

「オッケー👌15分だぞ〜。」

「じゃ、みんな〜シェルター ミーの
コーラスつけてくれ〜」

「ダメだ、ダメだそうじゃない〜
また頭から〜やり直し」

「トム、コーラスの女性軍も疲れてるから
もうこの位にしとこうや、本番でお前だって
声が出なくなるぞ〜。」

「エリック〜黙っててくれよー。」

「エミリーなんとかしてくれ〜トム兄貴が
out of controlだ。」

「ジェフ、ああなっちゃうとトムどうしようも
ないのよ、いつもの事じゃない!」

「ジェフ、フレッドは?」

「さっきまで楽屋で女の子と喋ってたけど。」

「呼んでこい!」

「フレッド トムがトサカだぞ〜。」

「フレッド、ちゃんと叩いてくれよ〜。」

「やってるよ〜。これ以上無理〜これ以上言うなら
誰か代わりの奴探してください。」

「お前な〜こんな寸前に代わりがいるわけ
ないだろう〜が!」

「ジョン〜助けて〜トムとフレッドがー!」

「おいおい〜いさかいしてる場合じゃないだろう
エミリーが泣いてるぞトム!」

「ジョン、人のバンドに口出し無用だ〜。」

「こっちも早くリハに入りたいんだよ〜
ほっとけないだろー。」

「ジョン、お前とこだって問題抱えてるんだろう〜
人の問題に口挟む暇あったら、
相棒のお守りしてた方がいいぜ!」

「どう言う意味だよ〜」

「そう言う意味だ!」

(一触即発)

「皆さん〜ウドー音楽事務所さんから差し入れですー!」

「ケンタッキーの🍗とマックのバーガー🍔
とダンキンドーナッツ🍩とタコベル!
とその他色々〜」

「わー私達ケンタッキー!」(コーラスのお姉さん達)

「俺〜タコベル〜」(ジェフ)

「俺〜マック!」(ジョン)

「俺も!」(トム)

「俺ドーナッツ🍩」(エリック)

「私も!」(エミリー)

「俺〜ベジタリアンだから〜カリフォルニア
ロール〜」(フレッド)

 (みんなパクパク頬張って〜)

「えーとトム何の話だっけか?」

「?何だっけ、ジョン?」

「もーみんな、お腹空いてただけじゃない。」

「ハハハ〜腹が空いてはリハは出来ぬ!
ウドーさん流石だね。」

「ウドーさんはね、デイビット  リー ロスとか
ToToのスティーブ ルカサーとか色んな強者達と渡り歩いてるからね、君たちみたいな黄色いクチバシ君達なんてちょろいもんなんですよ!」

「あんた だーれ?」

「あ、ジョン僕はマーティン〜って言う
ツバキハウスって言うクラブでDJやってる者です。
どうぞ今夜コンサート終わったら皆さんで
踊りに来てくださいね!将来はLAに行こうと
思ってるんですよ。よろしく〜ニューウエーブ
からヘビィメタルまで今夜はNew Year Party
だから色々かけるからね!もちろん、ボンジョビ
やシンデレラの曲もね!この前六本木の店で
ボンジョビかかってたら、入ってた来たプリンス
がさぁ、くるって背中を向けて帰って行った
って言う、噂も聞いたけど〜。」

「へー、そうなんだぁ〜ツバキハウス
面白そうだね!ドームのカウントダウン
コンサート終わったら行かせてもらうよ!」

「トム、私たちも行かない?」

「ああ、ジョンとドロセアと行こうや!エミリー」

「💕ワーイ!」

「ごめんな、さっきは!」

「もー、こりごり〜!あなたの声が心配よ。」

「大丈夫だよ、ドーナッツ🍩食べさせて!」

「アーン!」

「💕」

(ご馳走様エミリー、トム)

この2月にラスベガスで亡くなられた元ツバキハウスのDJ マーティンさんに捧げます。
ご冥福をお祈り致します。

ラスベガス在住 地塩礼
2022年3月9日



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