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花壇デザインで失敗したこと

 私が花壇デザインのお仕事をしたとき、失敗したことがあります。それは肥料を入れすぎたことです。じっくりゆっくり育ってほしい宿根草が一気に大きくなってしまったのです。

 花壇には宿根草が8割、1年草が2割という宿根草メインのデザインでした。宿根草は草花のみではなく、低木やグラス類も多く取り入れました。植え替えや手入れに頻繁に行くことができないからです。

 普段は植物を植える前に土の状態を見て、堆肥や元肥、土壌改良剤を入れます。その時も非常にやせた砂質の土だったので、牛ふん堆肥、腐葉土、元肥(化成肥料)、ゼオライトを入れました。それぞれの量は面積に対して適量を入れ、よくまぜてから植栽しました。

 結果、1年草は見事に育ってくれました。宿根草も大きく育ったのですが、一気に育ちすぎてヒョロヒョロな株になってしまいました。いわゆる徒長です。本来宿根草はやせ気味の土でも毎年徐々に株を充実させることで性質的にも強く根付いてくれます。私は宿根草に栄養を与えすぎてしまい、軟弱な株にしてしまったのです。今思い返しても、植物の本来の姿を考慮することができなかったことを恥ずかしく思います。

 現在は、肥料分が落ち着いてくるまで空き時間ができたら手入れに行きます。手入れが楽なようにと選んだ植物は、栄養を与えすぎて暴れてしまい、逆に手のかかるものになってしまいました。植物たちに申し訳ない気持ちでいっぱいです。思っているだけでは何も変わらないので、愛着と反省の心で手入れに行っています。

 花壇の環境や周辺の環境、土の条件、植物の性質や特徴といった全てのことを考慮することが植物をデザインすることだと思っています。失敗を失敗で終わらせることなく、植物目線のデザインをしていきたい。そう強く思った失敗事例をお話させていただきました。



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