やるか見るかのどちらかしかない、それが愛だ 9 chisato_mrt 2023年11月9日 23:47 「この世の中に、愛ほどエゴイスティックなものはない。この世の中で、愛ほど理性から遠いものはない。愛ほど残酷で、いきなりで、躊躇なしで、すかさずの当事者性を要求するものはない。愛とは、シランのようにケツ丸出しで平然としていられることだ。愛とは、カンノのように、一切の抵抗力を捨てて、ただ惚れ惚れとそれを見ていられることだ。愛とは、カイチョーのようにすぐその気になってしまうことだ。愛には、“やる”か“見る”かの、どちらかの立場しかない。始めっからそこに当事者の立場としていて、当然のごとく『躊躇い』というものを持たずに“やる”か、『やりたい!』と公然と思うか、そうじゃなかったら、それを愛情をこめて“見る”か、そのどちらかしかない。愛とは、参加するものだ。愛においては、見ることでさえ、『当事者として参加すること』だ。そこには、『だったら、冷やかしに行ってやろう』というような、判断を保留したままの“参加”というものはない。やらないのだったら“見る”。見るんだったら、惚れて、一体感を燃やして“見る”。やっているやつを、ただただほめ称えて“見る”──そういう立場しかない。」橋本治『人工島戦記』p.732 人工島戦記 あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科 amzn.asia 10,780円 (2023年11月09日 23:51時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する ダウンロード copy #橋本治 #原っぱの橋本治研究 #日めくり橋本治 #人工島戦記 9 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート