見出し画像

旅の前日。

旅の前日の話をしよう。

旅の前後日は特に何も予定を入れない方がいい。旅の準備もあるし、明日の旅がどうなるかと想像をする時間から旅は始まっているように思う。今日は早く眠らなければと思いながら少しだけ旅の余興を感じたくなる夜だ。


旅の途中にこれをすれば楽しいだろうと荷物を詰める。あまり物が多くなっては旅の道中が荷物が重くて辛いものになってしまうので軽い身なりにしようと思いつつ、装飾等にもこだわってしまう。旅行用の鞄を押し入れから引っ張り出してくる瞬間は、胸がときめく。

「また今回もお世話になります。」

と小さくお祈りをする。今回の旅は1人では無い。今回の旅を共に歩んでくれる仲間は、旅が無事に終わる事を神様にお祈りしてから旅に出かけるそうだ。何かがあってもらっては困るねと笑っている私だが、神棚に願う姿は何だかとても頼もしく見えるし、それも旅の醍醐味なのだろうと少し思う。

私はひとつひとつお世話になる旅の荷物にお祈りをするが、それもまた旅の醍醐味なのだろう。

旅の前日の話が長くなればなるほど旅が辛くなってしまうものだ。あまり長く話さないようにしよう。

昔の旅の人は道中に歌いながら旅をしている描写を何かで見た事がある。現代となっては音楽を携帯出来るようになった。私の旅の密やかな趣味は、道中に聞く音楽のリストを作っておくことだ。今回は旅を共にする仲間の趣味も取り込んでいる。道中に喜んでくれるだろうかと少し楽しみだ。

明日は早い。そろそろ眠るとしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?