見出し画像

道中想う。帰り


泊まりがけの旅行の朝は眠たいものだ。しかしスケジュールは詰まっているので移動を開始する。昨晩は美味しくお酒を飲んでそのまま寝てしまった。

旅先のお酒は美味しい。ああ、からい!からいよと言いながら飲む日本酒ですら格別なのだ。あまりお酒の話をしていてもつまみにすらならないので割愛する。

旅も半分以上終了してしまった。少し寂しさを覚える。帰りの道中は寝てしまいそうだが、旅の思い出に写真をたくさん撮っておこうと思う。

道中に友人から連絡があり、旅のおすそ分けをした。いいな、と言われるといいだろ。と言いたくなる気持ちと、行ってみるといいよと、現地の人でもないのに宣伝したくなる。

旅というのは現地の人からの勧めではなく、同じく旅人からの勧めの方があてになることもあると思う。現代の世の中からは旅人分野は撤退してしまったように思うが、たまにこうやって旅をしてみると、旅もいいと思うのだ。

旅先の食べ物はなんでも美味しそうに見えるし、珍しい食べ物だけではなく、その辺の焼肉食べ放題などの看板ですら胸が高鳴る。人間の胃袋に限度がある事だけが残念な事だ。

短い移動の時間に筆を取ったのでまとまりがないが、この辺りにしておく。帰り道にまた会おう。とかっこつけたことを言っておく。


帰りの道中は物寂しいものだが、美味しい食べ物と、帰りに何を書こうかと思うのが楽しい。コーヒーは再び買えないが旅先の美味しいものとちょっとした飲み物をつまみに乾杯する。美味しい。今回の旅が成功だった証と言えるだろう。

疲れで酔いの回った冴えない頭だが帰りの道中もお願いしたい。

道中での割り箸の行方についてなんて書いてもしょうがないだろうかと思いつつ、後で思い出になるかなと書いてみる。前から開閉する机は揺れるし大したものが置けない。いつも思うのだが、この開閉式の折りたたみ机の事は何と呼ぶのだろうか、前の道中でもそんな事を考えて、旅から帰った後に知人に聞いて納得したのだが、忘れてしまった。人間とは懲りない生き物である。

何か駅弁などを食べる分には問題ないのだが、飲みながら食べるとなると道中は中々に忙しない。ちなみに箸がコロコロと転がってしまったら、せっかく旅のお供に買った食べ物が食べられなくなって、ちょっとだけ残念な思いをする。

そして、あまりに匂いがする食べ物も、周りに申し訳なるだろう。道中は空気の読み合いも大事だ。何か美味しい香りがするなと思ったら自分のおつまみが香りを仄めかしているなんて事があり、申し訳なくなってビニール袋を二重にくくる。だって美味しそうだったからでは、マナーは守れそうにない。だからといって、マイ箸やマイボトルを旅先まで持ってくるほど玄人でもない。

帰りの道中になってから、あれを買えばよかったと少し後悔する。お土産に甘いものを買えばよかった、ご当地のものをもっと買えばよかったかな、と考えてもどうしようも無いことを考えるのも旅の醍醐味ではないだろうか。

旅のお土産というものは、ご当地のちょっとよく分からないものを選ぶのが好きだ。昨今は有名なものはネットで買えてしまう。勿論、そういった有名なものはほぼ外れがないし、旅から帰っていざお土産をいざ渡す時に話題が弾みやすいし喜ばれやすいと言う、メリットしかない。一概に何がいいとは言えない。お好みである。今回はあれ買ってきてなどの指定がなかったので、旅先で見つけたちょっと笑えるものをお土産にしてみた。渡すのが楽しみだ。

帰りの道中の方が時が過ぎるのが早いように思う。ちなみに、帰りも復路なので、行きと同じ道を戻っているはずになのに、記憶にない地名が見えたりする。やはり、1度来ただけでは分からないようだ。また行きたいと思えてくる。

ふわふわと心地いい感覚のまま窓を見やる。あの建物はなんだろうか、と、新鮮な気持ちで眺める。
旅先の
行きより帰りの
酒がいい
という俳句めいた文句を自分の中で気に入りながら手持ち無沙汰になる。

少し不機嫌そうな男性が通路を歩いていくのを眺めながら、車内販売を待ってみる。コーヒーを諦めた訳では無かった。次の旅に取っておけばいいとも思わなくもないので、どうなったかはこの作品の行く末を出来れば追って見てほしい。

何故こんなに車内販売にこだわるのかと言うと、確かに子供の頃の憧れは大きいが、これまで旅の機会が1度もなかった訳では無いのだ。しかし、いざ車内販売を頼もうとしたら今の時期は休止だの、流行病で中止だの、本当に縁がなかったのだ。そこまで待てを喰らうと、飲んでみたくなるのだ。

風景を眺めながら、そういえばあの作品のイメージはこんな感じだろうか。と空想に耽る。と、そんな事をしていると、車内販売のアナウンスが流れた。

これは、買うしかないだろう。
と高鳴る胸を沈めて、努めて冷静に迎える事にする。案外すんなりと買えてしまって安堵と少しの戸惑いで胸がやはり高鳴る。車内販売のお姉さんに、一緒にスイーツもいかがと言われて、甘いものが食べたかったのに断るという一点を除いて、問題なかっただろう。こういったことは慣れてしまう迄が楽しいのとリベンジをしたいなと思えるところがいい所だろう。

長年の期待をかけて飲むアイスコーヒーは、少しほろ苦くて、思った以上に美味しかった。じーん、というエフェクトがあるならつけてもらっても構わない。しみじみと味わう。

そんな事をしている間に旅の終わりが近づいてきたようだ。まだまだ旅が続く様な気がしてならない。そうやって旅が終わった方が楽しいのだろうなと、満足気にアイスコーヒーを飲んだ。旅の味がした。

道中想う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?