ショートストーリー。期間限定。

とある所に期間限定と名前を付けて、思い出を売る人がいました。思い出の期間は値段によりましたが、高いものだと、人の人生では稼ぎきれないほどの高額の思い出もありました。

ある人が、恋人がいる思い出が欲しくて、思い出を買いに行きました。安いものではありませんでした。

思い出を売る人は、どうせ交際歴に支障をきたすからだと、カッコつけたくて買うのだと思い、一言余計な事を言おうとしました。表情に出ていたのでしょうか。

買いに来た人はその様子を見て、少しだけ寂しそうに笑いました。そして、また来ると言って何日も通いました。売る人は気にしませんでした。

何度も何度も何年もその人は毎日のように通うようになりました。そして、ある日、とても美しい花を持って、その売人の元にその人はプロポーズをしにやって来ました。

売人は期間限定の思い出よりも、永久の愛を求めるようになり、店を閉めたそうです。

その後の2人の思い出については、また別の機会に。

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