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食中毒について

テイクアウトの増加により食中毒が懸念されています。
特に、卵・カレー類の食中毒は油断しがち☝️

卵は、鶏の肛門(総排出腔)から出てくるため、
出てくるときに卵の表面に菌が付着しています。

*卵といえばサルモネラ菌。
サルモネラ菌は動物の腸などに存在していて、腸管・卵管・肛門管が
全て同じである鶏の卵が主な原因食品となります。

卵を出荷する前に洗浄・殺菌されますから、
卵表面の菌は基本いなくなっています。
しかし、鶏の体内で卵が
形成されるときに、菌が卵内部に侵入してる場合があり
この場合は、殺菌できません。

そのため万が一、菌が侵入した卵を生で食べたとしても
食中毒が起こらない期限として、卵の賞味期限が決められています。
(なので、しっかり加熱するのであれば卵は
賞味期限が過ぎていても家庭内では、食せます)

テイクアウトする際に、半熟の卵をいれると
サルモネラ菌が
生きている可能性があります。
菌は少量から爆発的な繁殖をするから怖いです。
ほとんどの菌は、75度以上・1分で死滅しますので
しっかり中まで、火を通しましょう。

*卵は割ってかき混ぜた状態で放置すると
菌の繁殖スピードが増します。
料理直前に割りましょう。


カレーで何度も食中毒が起きています。
何故、食べる前に火を通すのに食中毒が起きるのか。
カレー・シチュー・スープ・煮込み料理。
これらの代表的な菌は、ウェルシュ菌です。
ウェルシュ菌は、土・海・川・動物の腸管に存在しているので
あらゆる食品に付着しています。

ウェルシュ菌は、少し特殊で自分が適さない温度の時に
芽胞という非常に丈夫な殻にこもります。
この殻は100度で数時間加熱しても、びくともしません。
そして、酸素のない状態で元気になる性質があるので
大きな鍋で沢山の量を作れば作るほど、鍋底が菌繁殖の温床となります。

例えば、ウェルシュ菌の芽胞が付着している
野菜や肉を使い、カレーを大きな鍋で作ったとします。
荒熱をとり、そのまま冷蔵庫にいれたとしても
中心まで冷え切るのに、数時間かかるため
その間に爆発的にウェルシュ菌が増えます。
(ウェルシュ菌は、45度で最も繁殖)

ウェルシュ菌は加熱により、死にますが
芽胞を形成したウェルシュ菌は残っているんですね。

45度まで温度が下がったあたりで、芽胞から発芽し
ウェルシュ菌が爆発的に増え始めます。
そのスピードは、10分に1回。
17回分裂しただけで10万個まで増殖します。

そのカレーを、提供する時にしっかり加熱すれば良いのですが
カレーやシチューなどのトロミがあるものは
焦げやすいので再加熱が甘かったりする。
大量に作ることが多いこともあり、ウェルシュ菌食中毒の
発生原因としては、最もカレーが多い。

カレーと共に食べてしまった、ウェルシュ菌が
腸にたどり着き
腸内で芽胞を形成しだします。
その時に、エンテロトキシンという毒素を産生。
その毒素により、腸の粘膜を障害し下痢をする。

なので、不特定多数の人に提供する食べ物の
前日調理はリスキーです。
どうしても前日に作る場合は、浅めのタッパに小分けにして
なるべく空気に触れる面積を増やし、早く冷却する。
(ウェルシュ菌は酸素に弱いので、よくかき混ぜたり浅めのタッパに入れると良い)
常温で2時間以上の放置は絶対にダメです。

その他でも、食中毒菌は沢山あります。
テイクアウト提供時に気をつけるポイントは
●中まで火を通したものを入れる
●熱いものと冷たいものを一緒に入れない
↑温度差による水滴は菌の繁殖を加速させるし、菌が好きな温度を持続させてしまう
●野菜などの水分をしっかりとる
●2時間以上の常温放置はダメ

そして、購入した側も1時間以内には食べるようにするか
冷蔵庫に入れるようにしましょう。

[各菌の特徴]
◎ウエルシュ菌
・中間型食中毒
・芽胞形成偏性嫌気性菌
・毒素型=エンテロトキシン
・潜伏期間=10~12時間
・症状=下痢、腹痛
・発熱はあまりみられない

◎サルモネラ菌
・感染型食中毒
・通性嫌気性
・潜伏期間=6〜72時間
・症状=激しい腹痛・下痢・嘔吐・発熱
・熱に弱く60度で死滅 ・

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