【徹底解説】キャリアコンサルタントになる!|試験内容|受験資格|費用|
キャリアコンサルタントになりたいと思っている人
「キャリアコンサルタントになるには、どうしたらいいの?」
「キャリアコンサルタント試験って、どんな試験なの?」
「キャリアコンサルタントってお金がかかる資格って聞いたことがあるけど、本当なの?」
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている私は、去年の3月に「キャリアコンサルタント養成講座(日本マンパワー)」を受講し、第15回キャリアコンサルタント試験(11月:JCDA)に高得点で一発合格(学科試験84点・論述試験44点・面接試験81点)しました。現在は2級キャリアコンサルティング技能士試験の勉強をしながら、(株)TADAJUKUのWebマーケティング部としての活動も行っています。
こういった私が解説していきます。
■1.キャリアコンサルタント試験に合格して登録をすると、キャリアコンサルタントになれます
キャリアコンサルタント試験(学科試験と実技試験の両方)に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することで「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。つまり、試験に合格しただけでは「キャリアコンサルタント」にはなれません。
■2.キャリアコンサルタント試験には受験資格があり、試験科目は学科試験と実技試験です
キャリアコンサルタント試験は、日本キャリア開発協会(JCDA)とキャリアコンサルティング協議会の2つの試験機関で実施されます。
◇キャリアコンサルタント試験の受験資格は?
キャリコンサルタント試験の受験資格には、学歴は設けられていません。つまり、大学等を卒業している必要はありません。
必要なのは、キャリアコンサルティングを行う上で、必要最低限の知識や経験です。そのため、キャリアコンサルタント試験の受験資格は下記のように定められています。
キャリアコンサルタント試験は、次のいずれかの要件を満たした方が受験できます(複数の受験資格に該当する場合は、いずれか一つを満たせば受験できます)。
1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方(添付1)
2. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれ かに関する相談に関し3年以上の経験(※1参照)を有する方
3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
【引用先】
https://www.jcda-careerex.org/information/requirements.html
1.は、「キャリアコンサルタント養成講座」を修了した方です。
実務経験がない場合は、この養成講座を受講する必要があります。
厚生労働大臣が認定している養成講座は、下記を参照してくださいね。
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000689172.pdf
キャリアコンサルタント養成講座の費用は、30万円~40万円です。
正直、高額ですね。
会社でその費用を負担してくれる場合もありますが、自己負担で受講される方が少なくないのではないでしょうか。
ちなみに、私は自己負担で受講しました。
金額だけで考えると、痛い出費です。
第15回キャリアコンサルタント試験を例にとると、下記のとおり受験生の9割が養成講座を修了して受験しています。また、合格率も実務経験者に比べて、高い傾向にあります。
【参照先】
https://www.jcda-careerex.org/files/result/340summary.pdf
https://www.career-shiken.org/wordpress/wp-content/uploads/40_2020_CC_15_Results.pdf
2.は、実務経験がある方ですね。
3.の技能検定キャリアコンサルティング試験は、2008年からスタートしたキャリアコンサルタント試験の上位資格です。キャリアコンサルタント試験が国家資格化されたのは2016年なので、技能検定キャリアコンサルティング試験の片方合格している方はキャリアコンサルタント試験を受験できるということです。
◇キャリアコンサルタント試験とは?
キャリアコンサルタント試験は、学科試験と実技試験で構成されています。
試験の難易度は、学科試験および実技試験の同時合格者の割合が50%台なので、国家試験の中では「かなり易しい」といえます。
では、具体的に学科試験と実技試験の内容について説明します。
◎学科試験
四肢択一のマークシート方式です。問題数は50問で、試験時間は100分です。
100点満点で70点以上の得点で合格となります。
※試験実施機関は日本キャリア開発協会(JCDA)とキャリアコンサルティング協議会の2つですが、学科試験は同一日に共通問題で行います。
試験範囲については、下記を参照してくださいね。
https://www.jcda-careerex.org/files/requirements/66file_15876275291.pdf
◎実技試験
実技試験は論述試験と面接試験で構成されています。
学科試験と違うところは、試験実施機関によって問題が異なることです。
すると、「どちらの試験実施機関で受験したらいいの?」と悩む人もいるかもしれませんが、合格率を比べてもほとんど差がないので、特に心配する必要はありません。国家試験なので、両試験実施機関で大きな差が出ないように調整していると思います。
・論述試験は逐語録(クライエントとキャリアコンサルタントの会話)をもとに、設問に答える記述式です。試験時間は50分です。
・面接試験はロールプレイ(15分)と口頭試問(5分)です。
①ロールプレイ
実際のキャリアコンサルティングの場面を想定して、面談開始から最初の15分間という設定で行います。最初の15分間とは初回面談のことであり、インテーク面談とも言われています。
受験生がキャリアコンサルタント役となり、試験実施機関で養成したクライエント役のキャリアコンサルティングを行います。相談内容は事前に公表されていません。試験当日にクライエント役がお話したことを基にキャリアコンサルティングを行う形式です。
②口頭試問
ロールプレイ直後に行います。自分のキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える形式です。
試験範囲については、下記を参照してくださいね。
https://www.jcda-careerex.org/files/requirements/66file_15876275291.pdf
実技試験は、論述試験が50点満点、面接試験が100点満点の合計150点満点です。90点以上の得点で合格となります。ただし、論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の3つの評価区分いずれにおいても満点の40%以上の得点が必要です。
つまり、入試でいう足切り点が設けられているということですね。面接試験の評価項目の満点は公表されていないので、論述試験は1点でも多く得点を取りたいところです。
◎日本キャリア開発協会(JCDA)
https://www.jcda-careerex.org/information/requirements.html
◎キャリアコンサルティング協議会
https://www.career-shiken.org/about/
■3.キャリアコンサルタントはお金のかかる資格ですが、費用を抑える方法があります
先に説明したとおり、実務経験がない場合は「キャリアコンサルタント養成講座」を受講する必要があります。
ここで、キャリアコンサルタント資格にかかる費用を表にまとめました。
◎合格までの費用
上図のように合格までにかかる費用だけでも高額ですが、養成講座だけの勉強では試験に合格するのは難しいのが実情です。なぜかというと、実技試験の模範解答が公表されていないからです。
他の国家試験に比べて受験料も高額であることから一発合格するために、試験対策のプロから学ぶことをお勧めします。私は多田塾で学び、一発合格しました。多田塾では学科試験および実技試験をトータルサポートするコースが用意されています。なお、「学科試験対策講座のみ」または「実技試験対策講座のみ」といった受験生のニーズに合わせたコースもあります。
私は対人支援のプロを育てる有料コミュニティ「Shien.Lab」の研究員生として入塾したので、試験対策はトータルサポートを受けました。そんな私が個人的にイチオシなのが、「多田先生のロープレ対策講座」です。この講座を受講したからこその一発合格だと思っています。「多田先生のロープレ対策講座」はすぐに定員一杯になってしまいますが、多田塾では、「Shien.Lab」内に「キャリコンCLUB」という受験サポートチームを発足しました。多田塾のノウハウを熟知した合格者が受験対策コンテンツをフル活用してサポートを行います。また、「キャリコンCLUB」のメンバー同士で練習することも可能です。
プロの対策講座を受講する分、資格を取得するまでにかかる費用はさらに上乗せになりますが、再受験料や後述する専門実践教育訓練給付金の追加20%支給のことを考えると、プロの試験対策講座を受講することも視野に入れていたほうがいいと思います。
多田塾のキャリアコンサルタント試験対策講座は、下記を参照くださいね。
https://e-4clover.com/
多田塾の『複合型研究施設Shien.Lab』は、下記を参照くださいね。
https://e-4clover.com/gakka/onestop/
◎合格後の費用
キャリアコンサルタントの登録を継続するには、更新講習(5年毎)を受講する必要があります。受講する機関によって金額は異なりますが、5年間で約12万円です。
更新講習を受講しない場合、資格が失効します。
詳細は下記のリンクを参考にしてくださいね。
https://careerconsultant.mhlw.go.jp/n/pdf/update/%E8%B3%87%E6%A0%BC%E5%A4%B1%E5%8A%B9%E3%81%97%E6%96%B0%E8%A6%8F%E7%99%BB%E9%8C%B2%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95.pdf
以上のように、キャリアコンサルタント資格を取得するにも資格を維持するにも、けっこうなお金がかかります。つまり、『お金のかかる資格』といえます。
しかし、少しでも費用を抑える方法はあります。
◇その① 専門実践教育訓練給付金を利用する
厚生労働省では、『働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給される』教育訓練給付制度があります。
これは、一定の受給要件を満たして、「厚生労働大臣の指定」を受けた教育訓練を受講することで支払った費用の一部が」支給される制度です。
詳細は下記をご覧くださいね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197058.html
教育訓練給付制度には3つの種類があり、キャリアコンサルタント養成講座は専門実践教育給付金に該当します。
利用した場合、下記のメリットがあります。
①養成講座修了時に、養成講座受講料の50%が支給される
②養成講座修了後に行われる最初の試験に合格すると、追加で20%が支給される
つまり、一発合格すると、養成講座の費用の70%が戻ってきます。
自己負担は30%とはいえ、養成講座の受講料は30万~40万円かかるので、自己負担額は9~12万円と考えていた方がいいですね。
もし、一発合格ができなかった場合でも、養成講座を修了すると、養成講座の費用の50%は戻ってきます。
◇その② キャリアコンサルタント試験合格後、上位資格に合格する
更新講習(5年毎)には、下記の免除制度があります。
国家資格名簿に登録後、技能検定キャリアコンサルティング職種(1級、2級)に合格した方は、合格後5年以内に行う更新において必要となる講習が免除されます。さらに、技能検定キャリアコンサルティング職種1級に合格した方は、その後の技能講習が免除されます。
また、次にあげる時間については、技能講習を受けたとみなされ、技能講習の必要時間からその時間数分を免除することができます(最大10時間まで)。
【引用先】
https://careerconsultant.mhlw.go.jp/n/faq_update.html
■4.まとめ
キャリアコンサルタントになるにはどのようなステップを踏んでいくのか、それに加えて知っておいたほうがいいことについて説明をしました。
記事のポイントをまとめると、下記の通りです。
①キャリアコンサルタント試験に合格して登録をすると、キャリアコンサルタントになれます
②キャリアコンサルタント試験は受験資格があり、試験科目は学科試験と実技試験です
③キャリアコンサルタント資格はお金がかかりますが、費用を抑える方法があります
キャリアコンサルタント資格を取得したからといって、すぐに年収がアップするわけではありませんが、勉強して身につけた知識やスキルは自分次第で今後に役立てていくことができます。例えば、面接試験のロールプレイで身につけた傾聴、共感などは日常生活あるいは社会生活において良好なコミュニケーションを築いていくスキルです。また、学科試験で勉強した内容は自分のキャリア形成に大いに役立ちます。
このほか、私はコロナ禍で養成講座のスクーリングがオンラインに切り替わったことにより、全国のキャリアコンサルタントを目指す仲間と繋がることができました。この貴重な出会いに感謝し、資格を取得した現在も勉強会を企画し、キャリアコンサルタントとして、互いに切磋琢磨しています。
これからキャリアコンサルタントを目指す皆さんと出会えることを楽しみにしています。
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