女王様と寄り添いたい

最近凄く心が忙しい。
SNSに疲れやすい。


仕事を辞めて実家に戻ったことで刺激が減り、ゆったり時間が流れるようになった。
今までが怒涛すぎて気づかないうちにすり減ってたんだと思う。
渦中にいる時分意識していなかったが、本を開いても文字が目に入ってこなかったり、ご飯食べながら仕事したり自然と作業が同時進行になっていた。

今生活してるとご飯を食べるって五感ほぼ使うし動画とか見る余裕ない。
使うのは視覚のみ、聴覚のみ、良くも悪くも五感を一つ一つ使うことしかできなくなってきた。
この前はテレビを見るしかできなくて家事は勿論マニキュア塗ることもままならなくなって笑ってしまった。実に面白い。

そんな中で今まで以上に私の中で私と対話する時間が増えた。
きっかけは某HSPの書籍。自分の本音の見つけ方。簡単に言えば本当に思ってることを見つけるというメンタルトレーニングの一種。
正直はじめは半信半疑だったけど、繰り返すうちにすごく懐かしい感覚になった。

昔自分は多重人格なんじゃないかと本気で思っている時があった。
ずっと脳みその中でもう一人との会話がガヤガヤ煩く異常なんじゃないかと心理学的な本からサイコパス、シリアルキラーの本まで読み漁っていた。
ちなみにその時期は文字を読むのが楽しくて小説を開くと色やテクスチャがよく見えた。

段々?もしかしたら元々?その脳みその中の住人が私を痛めつけることが沢山あった。何度もシバかれて四肢を切られて首を絞められる。あの時内蔵が出るまで踏みつけられながらお前は無能なんだよと言っていたのかな。もう忘れたけど。
とにかくそんな感じで脳内の女王様に痛めつけてもらうのが癖になっていた。○してくださいと土下座し脳内ではいつでも血みどろスプラッター状態。


それも高校受験の慌ただしさでずっと忘れてた。


話は戻り、トレーニングを繰り返す中で昔のモヤッとした思い出がリフレインすることがあった。
その中で業務中に上司に注意をされた時を思い出した。当時は「この人の話は道理が通ってる。ならば正しい」とモヤッとした気持ちに気づいていなかった。だけどリフレインする中で納得してない自分に気づいた。その時の情景を繰り返すと喉元を押さえつけて「道理通ってんだろ?聞けよ」って言ってる人がいる。

あのときの女王様だった。

うわぁと思った。
ホントお久しぶりです。

何回も何回も繰り返した。
やっと触れるくらいイメージできたから頑張って手を握って横に座ると「怖かった」って女王様がぽろりと泣いた。

そのときに全部ストンと落ちた。
なるほど全て私だったんだ。
あまりにも柔らかい私の心を外界でも生きていけるようにシバいて守ってくれていたんだなぁ。


それからは頭がぐわんとなったりはてなが浮かぶとひたすら女王様を待つ。
早く来るときもあればすごく時間かかるし次の日にひょっこり顔を出す時がある。出会うと忘れないように手を握って寄り添って言葉が出てくるまで背中を撫でてあげる。

そんなことをするようになってより人との境界線や不快に対する反射が少しだけ早くなってきた。
女王様は柔らかく丸くなってきてる。よく見たら小学生の頃に描いた孤独な子供の絵と似てた。

女王様を見つけるのに必死で忙しいし、他の人に関心を向けるほどの余裕はないけれど、今少しまた自分のことが分かって楽しい。
久しぶりに読んだ萩原朔太郎は鶯色をまとってた。








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