甘酒に思う
甘酒は桃の節句に飲むものだった。
子どもの頃の記憶。
ちらし寿司と小さなお雛様。ひな祭りケーキはまだなかったけれど。
誕生日が2月の末なので、お友達を呼んで誕生会も兼ねたひな祭り会。
酔っ払わない甘酒で乾杯。
お雛様にも誕生日を祝ってもらった思い出。
全てが手作りの小さな宴。
小さなお雛様はガラスケースの中からそれを見つめていた。
ひなあられはガラスケースの前に置かれていた。菱餅はお道具の中にあった小さな造りもの。
みんなで歌を歌ったり。
誕生会なのでプレゼントを頂いたり、お返ししたり。
小さな小さな宴の間、お雛様も久しぶりに飾ってもらった開放感で笑っているように見えた。
ひな祭りに飲んだ甘酒の思い出。
少し癖があって、どろっとしてて甘ったるくて。
そんな思い出の「甘酒」を大人になった今また飲んでいる。
ひな祭りでもない、真夏のお昼間に、ひとりで、氷で割って。
当時が蘇る甘ったるさ。
昔を懐かしく思い出す甘ったるい味。
今はお雛様を飾ってないけれど、それでもなんだかちょっと嬉しくなった。
蒸し暑い真夏のお昼の不思議。
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