vintage adidasのエトセトラ
皆様こんばんは。すっかり年も明けて気がつけば「1月 has Gone…」なお気持ち。いかがお過ごしですか?
さて今回はもう散々に擦られまくっている、コレクターも多いヴィンテージ アディダスについて書いていこうと思います。
「何を今更。アンティークレースだの可愛い系が好きだのいいながら、真反対のストリートを攻めますのん?」とお声がかかりそうですが、Netflixで最近見た2000年代のドラマ「i.w.g.p」の影響でストリート系が着たい気分なのと、
そしてこのタイミングで勤め先にも入荷するという事案が重なったという経緯があり…この記事に至りました。
ま、大前提は「可愛いから着たい」、けど「なんでこんなするん?」という今までストリートファッションを通ってこなかった私自身の疑問を解決するためにまとめています。
販売店の皆様のブログや、コレクターの方々のブログを拝見してかき集めた情報を自分で見直す際に見やすくした、正しく「note書き」をしただけですので、情報が古かったり、誤っている可能性も排除しきれません。それらと当記事による損害は一切責任を負いませんので、悪しからずご了承ください。
フランス製は1970年代製が多い?
結論、1960年代製からフランス製のものは存在する。詳しく言いますと1960年代の製品は西ドイツやユーゴスラビア製の刺繍タグの物もあり、1970年代はフランス製のものがメインになってくる、ということのようです。
®︎ (レジスターマーク)がないものは1960年代のもの?
そもそもレジスターマークというものは、1950年代以降に作られた商標登録を表すマーク。皆様のサイトを拝見すると、正確な年代はわかりませんがadidas社が商標登録を行ったのは1970年代に入ってからのようです。故に60年代には見られないのです。
1970年代のアディダス
前記事項のことからレジスターマークのある青いタグは70年代のものと書かれていました。
特に上記画像中央のタグにもありますが、1970年代(どれだけ早くても1972年以降)~1980年代まで男子プロテニス協会の公式サプライヤーを担っていた頃の製品には、"ATP"マークがついています。
ただ1970年代後半以降になると上記のように白地のタグが増え、別布で各国のサイズ表記のタグも現れるようです。…がこの白タグについてはサイト様により意見が分かれているところで…。詳しい方がいらっしゃいましたらお聞かせください。
1980年代以降はアメリカ製が増えていく?
1980年代に入ると、先程の組成表記と世界展開に合わせた国別のサイズ表記が2枚に分かれていたタグから1枚のタグにまとまる(いわゆる万国旗タグになる)ようですが、これを境にフランス製は一部を除き見なくなると書かれていました。
これは1979年にカリフォルニアに工場ができアメリカで製造が行われたからと言われており、 "Made in USA"の表記があるものは1980年代以降の可能性が高いようです。
そもそもフランス製が増えたワケ
では、なぜフランス製の物が増えたかと言いますと…1967年にadidas社がフランスのventex社を買収したためなようです。(という記述を見かけるのだけどソースどこなんだろうねぇ…これだけどこもかしこも年代特定してるねんなぁ)
豆知識として、1970年代中期にKEYROLANという素材を開発しているので、そちらの表記があると1970年代中期以降と年代推定ができるんだとか。
参考にした多くのサイト様では、ventex社の買収後に作られたものには「PRODUCTION ventex」と表記されており、この表記は1980年代頃まで見られる、と書いておられるのですが…®︎付き(=1970年代以降)の「CREATION ventex」(=買収前の表記?)というタグもあるんですよね…。
一部サイトでは「CREATION ventex」の方が「PRODUCTION ventex」より古いと書いてありましたが上記写真を見比べると、どちらの表記も原産国表示に加え、どのような素材でできているかを表す組成表示が増えていることがわかります。
そして友人のコレクションにて 「CREATION ventex」 表記かつ"トレフォイルロゴ"が共存しているヴィンテージアディダスも見たので更に私の頭の中は「???」でいっぱいに…
また、ATPの公式サプライヤーは1970年代中期以降と書かれているサイトさまも多いのですが、これだとトレフォイルロゴが入っていないタグはどういうことなのかと、矛盾してしまいます。
adidas公式サイトによると1972年のミュンヘンオリンピックに合わせて作られたトレフォイルロゴができたのは間違いがないのです。
ということで、ここからは推測の域を超えないので話半分に聞いていただけたらと思うのですが…そもそも60年代タグの「CREATION ventex」が現れたのはadidas社が買収してからのこと…つまり1967年以降だ、と考えるとタグの変遷の辻褄が合いやすいのです。
ventex関連のタグに絞り変遷をまとめると下記のようになります。
タグの画像は上記のものを照らし合わせてご確認くださいね。トレフォイルロゴと白タグについては、ほぼ同じか順序が前後するかもしれませんが…頭抱えましたよ…訳分からへんし…………。
タグから見える時代劇…コレクターズ・アイテムの醍醐味と言っても過言ではない…けれどここがいっっちゃんややこしかった…。正直可愛かったらええからどっちでもええねんけど…こういうことからレア度が上がったりするので………コレクターズ・アイテム恐ろしい…骨が折れましたよほんま。
なお、あくまでも推測ですので正しいかはわかりません。皆様もお調べになられて新しいことがわかりましたらお知らせください。
ちなみにventex関連のタグのみにフィーチャーしてまとめておりますので、その他タグは下記項目、「参考サイト一覧」をご覧ください。
アディダスのロゴマークで
見分けがつくらしい
月桂樹の冠から作られたと言われている、トレフォイルロゴができたのは前述の通りミュンヘンオリンピックに合わせた1972年。
ゆえにトレフォイルロゴが無いものは、1972年より以前のものであると言えます。
1972年以降の1970年代ロゴ…
三つ葉は独立していて線はどれも繋がらない
三つ葉はすべてばらばらで、下部にある3本の線は全て独立しているようです。
1980年代初期-1980年代中期…
中央の線が1本つながる
1980年代後期-1995年…
中央の線が2本繋がる
このように1972年以降はトレフォイルロゴから年代を推定することができる模様です。
コレクターズ・アイテム
さて…ここまで尽くどう年代を見分けるかについて話してきましたが、ここからは番外編。どのヴィンテージアディダスもコレクターズ・アイテムなのですが、中でも希少性が高く、勤め先にも入荷予定のものを取り上げさせてください。
デカロゴ
はいでましたわかりやすいやつ。
大きなトレフォイルロゴのものを指すのですが、コーディネートのアクセントになって可愛い。
コレクターズアイテムのためかなり値段が高騰しているようですが、勤め先に奇跡的に一点入荷したものも即完でした… (ご購入者様にお写真を撮らせていただき次第追記します!)
まぁあの子は単純に色の組み合わせが可愛かったもん………ずるいよねぇ………………
CCCP
トラックジャケットにサッカーシャツなどの胸元に大きく「CCCP」。95年生まれの私からすると何じゃらほいなのですが、こちらは「ソビエト連邦共和国」の略称で、いわゆるソ連代表のユニフォームとして使われていたアイテムです。
ソ連崩壊が1991年の12月26日。ですのでモノとしてはそれより以前のものだけ………と思いきや、2002年に復刻版が出ているようです。
オリジナル版との見分け方はロゴタグだけでなく、タグの製造年月の欄があるかを確認すれば一目瞭然ですが復刻版でももう20年ほど前のアイテム…恐ろしいねぇ…。
ちなみに復刻版の半袖タイプが入荷しましたが即完でした。ありがとうございます。
ウール混の素材など当時のスポーツウェアを復刻しているアイテムでしたが、細部までのこだわりは然ることながら色味も可愛かったし、フロックプリントではなく刺繍でロゴ印されているのもたまらん可愛さでした…
その他
ワールドマーク(地球マーク)や1stマーク(eマーク)、ATPに対して1973年設立の女子テニス協会のWTAマークといったレアアイテムもあるようですが、今回お見かけできなかったのでまた入荷した際に詳しく調べたいと思います。
靴の製造年月の見方
CCCPの章でも少し触れましたが、adidasの公式サイトによると90年代以降の製品は下記のような見方で製造年月が確認できます。
参考サイト一覧
今回の記事を書くにあたり、下記サイト様を目を皿のようにして拝見しました。まとめてくださり本当にありがとうございます。
ちなみに余談ですが、アディダス社の商標登録になっているこの3本線は、1951年にフィンランドのスポーツブランド「カルフ」から約1600ユーロとウィスキー2本で使用権を買ったものだそうです。抜かりないですねぇ…さすが大手になるところは初手が違う…大きくなるべくしてなった、な気がしてしまいます。
さていかがでしたか?勤め先がフランス現地にて買付をしているためフランス製を中心にまとめてみました。
できるだけ正確にお届けできるように努めてはおりますが、推測の域を出ない部分は話半分に聞いていただき、多少の年代のズレはご容赦ください。
また冒頭でもお話しましたが、参考元の情報の誤りであったり、古い情報である恐れがあり、それらと当記事による損害は一切責任を負いませんのでご了承ください。
ともかく今は実物を目の前にしてもう少しジップを見てみないとなぁ、なんて思っています。
(一時フランスの高級ファスナー ECLAIR社のジップについて狂ったように調べていたので気になる)
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冒頭でもお伝えしましたが、正直服なんやし、ファッションなんやし「可愛かったらええやん」精神ではありますが「ぎょえ、何この値段?!」な子たちはこんな理由もあったりするので書いてみました。
これだからコレクターズアイテムって怖い。(めっちゃ褒めてる) まぁ、なんぼやったとしても可愛いアイテムにヒザマズク他ありませんが。
本日はここまで。一緒に沼で溺れたい皆様、溺れたくはないけど気になる皆様はもちろん、チラ見ぐらいの皆様も含めましてヴィンテージ…ひいてはファッションという沼底にて皆様をお待ちいたしております!(元:沼に引きづられた客より)
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