第二章



前に上京しようとしてた時、なぜか親の死ぬ目に会えない気がとてもしていた。なぜかとてもそんな気がしていた。でも今回はそんな気がしなくて、やっぱりあの時行かなくて良かったんだと思う。

私が仕事最終日の日に友達にチャットを送っても、返してくれた友達の返信を私は一生見れないんだと思うと変な感覚がした。

最後に会っておきたい!と人に会うには多分一生時間が足りない。選抜して誰を優先するとかの話でもない。ちゃんとことあるごとに私は色んな人を思い出しているよ、と思っている。

いくら手を振っても、いくら応援の言葉を言っても、いくら感謝を言っても、多分一生伝え続けれるくらい思ってることは溢れてくるんだと思う。しみじみ、やっぱり文字や電話やテレビ電話ではなく、直接会うということはこの世で一番の伝え方なのかもしれない。顔が見れればいいって事じゃない。自分の目に写って、ちゃんとこの人は今目の前にいる、ということが重要で、一番の事実なのかもしれない。だからライブって多分本当に正解だ。直接会えない時は、せめて電話や手紙やテレビ電話をしよう。伝えたりすることを諦めないでいよう。それを知れて良かった。



色んな場所で引き止められる感覚にとても既視感があって考えてみたらとても高校を中退する時に似ていた。その頃は私は本当にシナリオアートの「ホワイトレインコートマン」を聞いていた。

きみの声が 遠くなっていく
おいていかないでよ

祈りは届かない 無力なヒーロー
「バッドエンドで迎える」
歪なエンドロール
"これが現実です"
それでも生きていく
「笑って 生きてね」
きみが 最期 に言った

周りの人を悲しませて振り切って辞めたからあれは明らかにバッドエンドだった。そして本当に笑って生きてねとみんなに思っていた。
でも今回はバッドエンドではなかったから、その時とはそこが違った。笑って生きてねはちゃんと今でもみんなに思っている。家族や親戚友達上司みんなに思っている。松明の歌や衝動な曲やのびしろの曲など知ってる曲も増えた。

札幌にも東京にも友達がいる。安心する友達が沢山いる。引っ越した人は帰る場所が増えるという謎チートを手に入れれる。もう一つも渡さないとも思っているし、駄目になったらすぐ帰ろうと思っている。人生を諦めないということと無理をすることは違うこととちゃんと自分でわかっているから。早く友達に会いたい。


この前とてもお守りのような文章を読んだ。強さを纏って呪いが解けた話だった。強い人や自分に自信がある人はとてもかっこいい。私もたぶんカメラと50mmと足があれば多分どうにかなる。精神も全て。私が撮る写真はちゃんと良い写真だから。絶対に良い。私を傷つける人にはいつでも中指を立てれる。

最近は何度も、人生もう諦めたくないなぁと思っている。ループしたくないなぁと映画みたいに思っている。




札幌の友達には健やかに楽しく過ごしてほしい。面白いものやラジオやなにかあったら軽率に連絡が欲しいと思っている。君や、あなたや、てめえに言ってる。

照れ臭くてヘラヘラダラダラ搭乗口に向かった。寂しかったけど思ったより泣かなかったななんて思いつつ。でも最後母ちゃんに「ちー!大事なもの忘れてた!」と最後呼び戻されてて、身体に気をつけてと頑張るんだよと、泣きながら手を握って頭を撫でてくれた時に、ああ私は過去にも何回も何かを一人でやった時にえらかったねと頭を撫でてもらっていたなと思った。
謝ることしかできない私に謝らなくていいよと優しく手を握ってくれて、きっと次こうやってちゃんと手を握るのは母ちゃんが死ぬ時なのかもな静かにちゃんと思った。母ちゃんの遺影は私が撮った写真が何枚もある。
この時、母ちゃんが勇気を出して、呼び戻してくれたこと本当に本当に良かったと思う。大事な家族とヘラヘラして別れるべきじゃない。ありがとうと思う。

長生きは疲れるしだるいけど、近くには居ないけど勝手に楽しく無理せず生きて欲しい。定年とかになったら今まで本当に頑張ってきたと思うからその分ゆっくりするのもいいね。おすすめのラジオや動画を送ってあげよう。

母ちゃんと親父に何を返せるんだろう、なにをしてあげれるんだろうと、ずっと考えていた。
多分、私を産んだこと恨み続けるんだと思うと昔言ってしまったこの私が、めちゃくちゃ楽しく、沢山笑って、面白いものを見て、人生を諦めないで、産んでくれたお陰で超楽しかったと言うことかもしれない。


正直特にこれと言った目標はない。上の例にならって、超楽しく過ごせれば良い。



と、打っていたけどおばあちゃんからの手紙を読んでそんな生ぬるいことは言ってられないと本気で心から思った。本当に本当に、私を送り出す事寂しかったと思う。母ちゃんだって親父だって親戚の人だってみんな。きっと出来るなら絶対引き止めたかったと思う。ずっとおじいちゃんが好きだったりずっと私の身体を心配してくれる優しいおばあちゃんのことが、私は大好きだ。だから、目標がないとか言ってる場合じゃない。血眼になって血反吐吐いて足折ってでも真剣に取り組まなきゃいけない。家族の寂しさを私は、無駄にしちゃいけない



上京前の日は「ダージリン急行」を見た。最後スーツケースやバックをぶん投げるんだけど、それに感化されてスーツケース捨てないで良かった。危なかった。

2022/02/12

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