世界で一番野暮な遊びをしよう【千歳朔誕生日】

皆様、今年も5月になりました。5月と言えば……そう!
『千歳くんはラムネ瓶のなか』の主人公、千歳朔の誕生月ですね。2巻では彼が十七歳を迎えるところが描写されました。
そんなチラムネも今年の6月で5周年。
というわけで、今回は世界で一番野暮で禁断の遊びをしてみようと思います。それすなわち――千歳朔の誕生日特定、です。

最初に言っておくならば、こんなことには何の意味もありません。そもそも具体的な日付が明かされていないわけですから、藪の中にしておくのが賢い選択です。
しかしそれでも……野暮だと分かったうえで興じてみるのもありではありませんか!
お約束として、
①この記事で述べることが正しいとは限らない
②意味がないことだと分かったうえでの「遊び」
ということを理解して、この先を読んでくださいませ!

1.カレンダーの特定

前述のとおり、朔の誕生日は具体的な日付で描写されていません。というか、チラムネにおいて具体的な日付が示されているのは二度だけです。
それはいつかというと……
・7月7日
・8月24日
の二つです(他にもあるかも……?)
このうち、8月24日は日付以外の情報がありません。8月24日が描写された6巻は夏休みの最中であり、周囲の日付も含め、曜日を読み取ることのできる記述がないからです。
翻って、7月7日は違います。7月7日という日付と、その周囲の曜日の記述があります。ここから7月7日が何曜日なのかを読み取ることができるのです

 陽がそう言って教室を飛び出していったのは週明け月曜の放課後だった。

『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』129頁

陽が東堂舞と1on1をするシーンです。

翌日の昼休み、俺は和希、海人、健太、それに陽と連れだって学校を抜け出し、近くのメシ屋「蛸九」に来ていた。

『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』160頁

蛸九で綿谷先生と出会ってしまうシーンです。
この日の放課後、野球部の面々が朔のもとにやってきます。チームに戻ってきてほしいと頼み、陽が怒りを見せる場面です。
で、その日の部活終わりに陽と朔は足羽山に上ります。

「なんだよ急に」
「今日は七夕だよ?」

『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』209頁

以上のことから、作中の時間軸が7月7日が火曜日の年だと分かります。
作中にLINEが存在することから、2011年以降だとも言えるでしょう。この二つの条件を満たすのは2015年2020年、未来になってもよいのであれば【2026年】です。
……といっても、これだけだと数字の繰り合わせだけになってしまうかもしれません。4巻は2020年に刊行されているのだから、「書いていたときのカレンダーに合わせただけ」と思う人もいるでしょう(ぶっちゃけ実際そうだと思います)。とはいえ今回は野暮なことをしまくる目的なので、若干ですが根拠を加えましょう。

こちらは、6.5巻に登場する『HOSHIDO』さんのモデルとなった店舗さんです。お読みになった方なら分かると思いますが、6.5巻はチラムネの中でもいっそう「ご当地色」を感じさせる話が多く、第二章『やがて涙で咲かす花』には『HOSHIDO』さんのほか、『URALA』さんも登場しています。
『HOSHIDO』さんは引用したとおり2022年7月に一旦終了しました。6.5巻は2022年3月に刊行されているので、数か月後に終了したことになります。これらを踏まえた上で、次の一節を読んでください。

「そういえばこのお店、あと数年のうちにはなくなってしまう予定なんです」

『千歳くんはラムネ瓶のなか 6.5』248頁

本来であれば、「あと数か月」でもよかったはずです。しかし、あえて数年後としています。この点から、作中の時系列が2020年であると考えられる――と本記事では結論付けます。

2.誕生日の確定のために

前節では、物語が2020年の出来事であるという仮説を立てることができました。ここからは2巻の物語を読み解き、千歳朔の誕生日を確定していきましょう。
まずは、2020年5月のカレンダーを見てみます。

エクセルで作ったので、すごく雑ですが……重要なのは日付と曜日です。
まず1巻終盤~2巻序盤について整理します。

①1巻ラスト・健太と教室で会う場面
……「ゴールデンウィーク明け」(1巻352頁)の記述から5月7日
②2巻冒頭・七瀬との待ち合わせ
……「二週目の土曜日」(2巻12頁)の記述から5月9日
③2巻一章・七瀬と朔の登校
……「週明けの月曜日」(2巻47頁)の記述から5月11日

この時点で矛盾がないことから、①~③の日付は真とします。
次に少し飛んで、バスケの練習試合~お祭りの場面を整理します。もちろんこの間にも出来事はいくつかあるのですが、それらは一週間の出来事なので今回は割愛します。

④2巻・練習試合
……「週末の練習試合観に来なよ」(2巻68頁)、「土曜を迎えた」(2巻157頁)から5月16日
⑤2巻・夏祭り
……「練習試合翌日」(2巻193頁)から5月17日

④・⑤は特に検証する必要もないでしょう。どちらも矛盾していないので、真とします。⑥以降は物語の終盤に近付くため、一日ずつ確認します。

⑥2巻・七瀬欠席/智也とサイゼリヤ/七瀬とメッセージのやり取り
……「祭りでヤン高の柳下とコケッコーに絡まれた翌日」(2巻210頁)より5月18日
⑦2巻・夏祭りの写真が出てくる/チーム千歳の面々で八番へ
……「翌朝、七瀬の家まで迎えに行くと」(2巻219頁)より5月19日
また、「テスト初日」(2巻222頁)の記述より、この日からテスト開始
⑧2巻・なずなと喧嘩/ヤン高生徒が待ち伏せ/朔の家へ
……「テスト二日目」(2巻233頁)より5月20日
⑨2巻・七瀬が朔と別行動することに/朔、智也と会話
……「悠月を家に泊めた翌朝」(2巻288頁)、「三日目のテストを乗り切り、最終日に向けて」(同292頁)から5月21日
また、四日目のテストが最終日であることが分かる
⑩2巻・七瀬と柳下の対峙
……⑨の記述、および「最後のテストを終えた金曜日の午後」(2巻312頁)より5月22日

さて、⑥~⑩によって、2巻終盤までの日付が分かりました。
ここまでくれば、朔の誕生日も推定することが可能です。

事件が解決した日、夜遅くまでチーム千歳の面々はたむろしていました
「二十三時半」(2巻354頁)の時点で夕湖が「あとでLINEする」と告げています。
このことから朔の誕生日は⑩の翌日だと推定できます。
以上のことから、朔の誕生日は5月23日であると言えるでしょう……⑪
念のため、この記述が他の描写と矛盾していないかを確認します。

⑫3巻・朔の誕生日会
……七瀬のストーカー事件解決から「数日経った」(3巻392頁)日であり、「まだ梅雨入り前の五月末」(3巻394頁)だと描写

5月25日~29日は「五月末」だと言えるでしょう。このことから、⑪と⑫は矛盾しておらず、真だと言えます。

3.まとめ

ものすごく分かりづらくなってきたので、2で辿ってきた時系列をカレンダーに起こしてみましょう

こんな感じになりました。
これらのことから、私は朔の誕生日を5月23日である、と考えます。
というか、実は数年前から5月23日説を推していまして……

応援アカウントからの誕生日発信は、5月23日に行っていたのでした。
まぁ最初に言ったように、あくまで日付の描写を拾い集めているだけなので物語的にはあまり意味を持ちませんし、すご~く野暮なんですけどね!
もし今後何らかのコンテンツ展開によって朔の誕生日が公開されたときには、間違ったことを言っているであろう私を笑ってください!
本記事はそれを含めて、多少はエンタメになれると思いますので……!

そんな感じで、本記事は閉じようと思います。
もうすぐ6月18日、チラムネ5周年が近づいています。応援アカウント・ファンサイトからも何かしたいな……と思いつつ、公式さんが色々と動いている気もしなくもないので、「何もやらなくていいのでは?」ともなっています。
また何か開催するときは告知いたしますので、ぜひ夏に向けてチラムネで盛り上がっていきましょう!

【参考文献】
裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか』(ガガガ文庫、2019年6月)
裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか 2』(ガガガ文庫、2019年10月)
裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか 3』(小学館ガガガ文庫、2020年4月)
裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』(小学館ガガガ文庫、2020年9月)
裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか 6.5』(小学館ガガガ文庫、2022年3月)

朔の誕生日会が描かれるドラマCDもお忘れなく


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