芹沢あさひ(P-SSR「空と青とアイツ」)

▼記事内で話すもの

・P-SSR「空と青とアイツ」


 芹沢あさひが好きすぎる……と思ったのがこのカードです。一年近くずっと持ってなくて、友人にコミュ見せてもらってから自分で入手する日をずっと夢見ていました。今は無事完凸しています。

 とにかくこのカードは本当にすごい。芹沢あさひを語る上で本当に欠かせない一枚だと思う。

 一つ前のnoteでも書いたけど、あさひは興味関心が多岐に渡っていて、本当に自由なんですよね。わたしたちが普段人の話を聞いて、「ふ~ん」で終わるところにあさひは突っ込んでいく。自分が納得するまで突き詰める。すごいや。同じ年齢でも中途半端にませた少女だった私にはできなかったことだ……14歳にもなると、それを自重することがもしかすると常識があるとか、大人だってことなのかもしれないけど……

 事務所の倉庫にテントを張って秘密基地をつくる。そんなの、普通はやらないですよね。どうしてもやりたかったら許可を取ると思う。だってそこは自分だけの場所じゃないから。でもあさひは、みんなが使ってる場所なら誰のものでもないと思って、そこに作っちゃう。そこから話が始まるのも、いいですね。

 昔やったなあ、秘密基地。今思うと本当にささやかなものだったけど、団地の小さい公園の、植木に囲まれてるちょっと奥まったスペースでしゃがんで、摘んできた花とか並べてたな。でもそれって、小学校低学年くらいの頃の話で、すぐにわたしの中から失われてしまった……あさひが秘密基地をつくるシーンを見て、ものすごく久しぶりにそういうことを思い出していました。

 でもあさひの興味は、秘密基地だけに留まったりしない。何かの撮影で遠出して、夜ホテルから飛び出してお土産物のバットを買う。このカードは特に大人であるプロデューサーとあさひの対比でできていて、基本的にあさひのやることなすことにプロデューサーは振り回されっぱなしです。いや、あさひのコミュはあさひに誰かが振り回される話ばかりなのはそうなんだけど……プロデューサーが子供時代に置いてきてしまったものたちに、あさひは興味津々で一生懸命なんですよね。だからプロデューサーは過ぎ去った時間を振り返って、「修学旅行を思い出すよ、いらないものをいくつも買ったりして」と言う。でもあさひは間髪入れずに「えっ、いるものっすよ?」と返す。

 そもそもホテルから出るの禁止なのにどうして夜あさひが飛び出して、プロデューサーが追いかけてきたのかというと、「窓から何か光るものを見たから」。未確認飛行体かもしれない!とあさひは大急ぎで追いかけたわけです。確認するだけだから外出じゃないって言って。いや外出なんだよなあ……

 で、なんでバット買ったかって、「未確認飛行体が来たら、これで打ち返すっすよ!」だそうです。すごい。天才か? あさひのことを、頭がおかしいとか発達障害とかKYとか非常識とか断じるのって、ものすごく簡単なんですけど、わたしはすっかりその魅力に囚われてしまいました。こんなふうに自由な発想と行動力で生きたこと、なかったな……

 でも多分、あさひのような子が現実の日本の、自分に近いところにいたら、わたしも距離を保って付き合うと思う。それくらい、あさひみたいに生きることって、遠いことだ…… だから、心が掴まれるのかもしれないな。

 ときどき、大人であるプロデューサーの持ってる子供の部分も出てくる……コロッケパンを食べるコミュも、いいですね。選択肢はメンチカツもあるぞが好きです。二人で一緒になって最強のコロッケ・メンチカツ・パンをつくるの、最高じゃないですか??? そうやってあさひの好奇心を刺激して交流できるの、なんて幸せなんだろう……一生飽きないと思う。

 なんやかんやしている間にも、倉庫の秘密基地はどんどん充実していきます。写真を撮ってつかまえた空をたくさん吊るして、ハンモックまで用意して……今は謎の無人島らしい。プロデューサーは「朝起きたら魚を獲ったり、ヤシの実ジュースを飲むのかな」と言いますが、あさひは「缶詰があるからそんなことしなくていいっすよ」と返す……ここも天才だな~……もうね、わたしたちは無人島という概念に囚われちゃってて、そういう想像しかできないんですけど、あさひの中には明確な像があって、持ち込んだのか、発見したのか、何なのかわからないけど、とにかく缶詰やハンモックはあるんです。まったく文明がないわけじゃない。あさひも、0から無人島で過ごすわけじゃないんです。イメージは明確だけどやっぱりどこか厳しさを知らないというか……子供なんですよ。

 そんなあさひが「朝は、まずは望遠鏡で海の監視っすね」と言う。「すっごい船が来るかもしれないし、すっごい魚とか鳥が来るかもしれないっす」……そのひと言がプロデューサーの心を無人島に連れて行って、さざ波の音が聞こえてくる……んだけど、残念ながらここは事務所で共有の倉庫であり、今後もずっとあさひの世界を受け止め続けるには不自由すぎる場所です。

 ここでプロデューサーがあさひを諭すんですけど、その諭し方がいいんですよね。TrueEndの内容、本当に最高です。

 あさひが最終的に自分で考えて基地を解散する……ここが自分だけの島じゃないことを理解したんですね。ちょっと寂しい気もしますが、誰かに……特に訳知り顔で叱ってくる大人たちに空を狭められてしまうよりは、ずっと良かったと思います。でも、寂しいな。あさひの自由な心を一つ置き去りにしたみたいで、切ないです。あさひはたぶんもう、その辺のだれもいなさそうな場所に秘密基地を作ったりはしないんだと思います。そこが誰のものかちょっと考えて、誰かに確かめて、やめるんだろうな。お、大人にならないでくれ~~~~~ッッッッ

 で、最後の最後に、倉庫にバットを忘れてる。興味関心の対象が他に移ってしまったんですね。あさひは記憶力がいいけど、興味を失ったもののことはすぐ忘れてしまう。だからバットのこともそのうち言われてもわからなくなるんだろうな……そうやって置いていって、通り過ぎて、大人になっちゃうんだ……

 あさひが無邪気に自由でいられる時間って、あとどれくらいあるだろう。

 若くて可愛い女の子は無敵だけど、あさひたちはあとどれくらい無敵でいられるだろう。

 そういうことに思いを馳せちゃって、感情になってしまいました。シャニマス、すごいや。

 ちょっと前すぎて遡れなかったんだけど、ツイッターでもこのコミュについては話していて、たしかそのときは自分を置き去りにされるバットに重ねてましたね。たぶんあさひと会っても秒で忘れられてしまう存在にしかなれないんだろうけど、でもそうやって忘れられて初めてあさひと関わったって言える気がする…………………………みたいなことを言ってた気がする。正気じゃないな。

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