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自問

 目の前に壁がある

 分厚く大きく重い壁だ

 しかもその壁は既にこちらに傾いており

 手を突っ張り足を踏ん張って支えなければならない

 自分の足元にはかけがえのない守るべきものがいる

 そんな時、その人にはどんな選択肢があるのだろう


 軋む手足で歯を食いしばり耐え続けること

 それが唯一の道だとは到底思えない

 自分を犠牲にして耐えることが本当の強さなのだろうか


 その壁が薄く軽いものならば片手で支えればいい

 しかし、その重さに体は軋み

 心は苛まれているのではないだろうか


 自分をいくら強い人間だと言い聞かせても

 身を削る代償を払い続けていけば

 その人自身が大きな傷を負ってしまうことになるだろう


 当事者こそが事態のすべてを

 把握していることは間違いない

 ただ当事者故に解決の選択肢を

 考える余裕すらないこともある


 直接その壁を押し返す手助けなどは到底できないが

 せめてその重圧をすこしでも和らげるために

 何かできることはないだろうか


 結果として何もできなくても

 解決の道を探すお手伝いだけでもしてみたい



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