見出し画像

なぜ包囲サイは消えたのか?

こんにちは。相も変わらずMOレガシーでニックフィット回し続けてる(最近では変容デッキも開発中)小池です。
今回は、先日レガシー仲間との間で話題に出たこともあって、昔アブザンニックフィット回していた人なら誰もが1時間は語れる包囲サイについての記事を書こうと思います。

早速ですが、まず包囲サイとは何かということで以下にスペックを書いてみます。

(ネットで拾った画像なので見にくかったら現物を買いましょう)

画像の通りですが、4マナ4/5トランプル!3点ドレイン!と、タルキール覇王譚当時はライフレースを破壊し盤面を覆す強力無比なクリーチャーとして騒がれておりました。私がmtgを本格的に始めたのもフェッチランド再録となったタルキールからなので、思い入れがとても強いクリーチャーです。

さて、そんな包囲サイですが、昔の自分のダイアリーノートに思うことを色々書いてあったので、先にそれを以下に転載します。

2020年6月5日包囲サイについて考えること。
眠れないので最近の悩みについて適当に書こうと思います。まあタイトルの通りなんですが。相棒の三マナ追加ルールによってオボシュフィットやヨーリオンフィットをわざわざ考えたり使ったりするのに飽きてしまい、それよかむしろ昔ながらの包囲サイ入りアブザンを令和に復活させられないかを考える方が百倍楽しいことに気づいたため、復帰も兼ねての思考整理しようと思います。
1、デッキ構成
以前の日記にも書きましたが、包囲サイを入れるならライフを詰めることが大きな意味を持つデッキでないとかなり弱いです。現代のオーコを筆頭とする強烈な除去環境では耐性なし4/5トランプルはオマケ程度でしかなく、クリーチャーだからこそ再利用しやすい三点ドレイン、という見方のほうがレガシーにおける包囲サイの捉え方としては合っている気がします。
そう言うわけで理想とするサイのデッキはライフへの攻めっ気の強いアグロないしミッドレンジなのかな、と思います。しかし、緑白黒という色ではなかなかレガシーレベルの攻めっ気を出すのは難しいのも事実です。特に相手のブロッカーが揃ってない2、3ターン目までで何点か削りたいのですが、包囲サイの四マナを確保する時間がそれを難しくしています。
だからこそ序盤に四マナ確保できるニックフィットはかなり良い居場所のように感じます。
2、相性の良いカード
アグロの頂点にサイを持ってくるか、ミッドレンジの繋ぎにサイを持ってくるかで違うと思いますが、サイ単体を見るなら今まで試した中では儚い存在、萎れ葉のしもべ、ネルトース族のメーレンあたりはとても強かったです。特に儚い存在はサイへの除去をかわしつつサイを三回活躍させるカードなのでとても強いように思いました。
3、ライフドレインの使い方
単純に三点ドレインも強いんですが、やはり三点ゲインすることか、三点ルーズさせることに付加価値をつけたいところです。しかしゲインすることに価値を見いだすとソウルシスターズ方面にデッキが歪みかねないので、ここはルーズのほうに目線を向けたいですね。お互いにダメージを受けない状況を作ってルーズ進めるとか、ダメージに依らないライフルーズに反応するカード何かあったかな?

という感じで日記が終わってます。今見返しても特に2の「アグロの頂点か、ミッドレンジのつなぎか」というところには包囲サイのみならず消えていった3~4マナ圏のカードたちに通じるところがあって、デッキ構成全体としてアグロなのかミッドレンジなのかの考え方がブレていると包囲サイを生かしきれないデッキになってしまう、という風に常々感じておりました。「雑に強い」と言われがちな包囲サイですが、割とデッキ構築全体として気を配る必要がある繊細なカードと思います。

また令和も4年が経過した現在、レガシーは以前にも増して凶悪カードたちが跳梁跋扈する世界になっており、ドゥームズデイ相手に1~2ターンキルされたりコントロール相手でも4ターン目くらいにナーセットエコーされてこっち手札1枚、相手7枚盤面相手有利からゲーム再スタート(事実上投了w)など、全体的に対策できないと高速で試合が終わってしまうことが散見されるようになりました。そんな中で包囲サイの立ち位置・問題点を改めて考察することで、どうやったら包囲サイが強く生かせるか見いだせていければと思います。

問題点①ハンドアドバンテージが取れない

問題点でまず真っ先に上がるところというか、コレが全てという人もいるかも知れませんが、4マナという重い多色カードとしてハンドアド(手札を増やす)に繋がらないのがかなりキツイです。単純に軽量除去・カウンターの1枚で対処されて1対1交換となり、こっちの手札が尽きたところに相手のハンドアドバンテージ稼ぐカード(表現の反復など)で徐々に不利になって負け、というパターンが多いです。特に顕著なのがウーロとの比較で、ウーロは出たターンは概ね勝手に死にますが、ドローが付いているのでハンドアドは失っておらず、また脱出のためカウンター・除去に強い耐性があります。4マナ+墓地のカードという代償は払いますが、脱出してしまうと、ライフ3点ゲイン1ドローと莫大なアドバンテージを稼ぎながら包囲サイより強いサイズのクリーチャーが着地します。

包囲サイよりデカい!アドも取ってる!最強!

この、ウーロで良くね?現象がかなり今のニックフィット界でもまかり通っており、包囲サイで得られたライフゲインを森の知恵でハンドアドバンテージに変換する強い動きはウーロがそっくりそのままほぼ上位互換として成立させてしまいます。なのでハンドアドバンテージに着目するような構築、つまりハンドを増やして有効に使える時間を確保していくような遅めの構築、ミッドレンジ~コントロールにはもう包囲サイは居場所が無い、と考えます。ただ、自分で書いておいてなんですが、追加ドローによるハンドアドバンテージがそもそも発生しない構築を目指せばワンチャンスあるかもしれないです。ナーセットは青拘束がキツイので難しいですが、船殻破りやレオヴォルド、迷宮の霊魂などはもしかしたら良い相方なのかもしれません。

問題点②サイズが小さい

上記のウーロで良くね?現象の項でも触れましたが、現代レガシーにおいて、4マナ4/5はサイズで圧倒できることもあまり多くないです。勿論4点クロックは弱くは無いのですが、ウーロを筆頭に令和レガシーは低マナビックサイズがひしめいており、1マナのファイレクシアンドレッドノート、事実上2マナの濁浪の執政、3マナの聖遺の騎士などに何もできずモゴモゴする姿は想像できます。

とんずらして実際13/13で出てくるよ!

アブザンニックフィットの構築においても4マナには色々選択肢があり、サイズのみで言うなら緑頂点で持ってこれる3マナ5/5のドラン、ロナスや4マナ6/6のポルクラノスなどは包囲サイより強いです(しかしどいつもこいつも伝説なのでカラカスに滅茶苦茶弱いです)。そういうわけで昔のように地上の3/3くらいのクリーチャーを無視して殴っている包囲サイ、という姿はもうほぼ見られないのではないかと感じています。相手のクリーチャーのサイズを継続的に下げるカードとか出てきたらチャンスあるかも知れませんが…。

こいつが相手だけ3/3にするなら超強かった

問題点③ライフドレインが強い環境でない

これは包囲サイの弱点というわけではないのですが、ライフを単純に詰めるだけの効果がそれほど強くないというのがレガシーにおいては顕著です。1枚1枚のカードたちが凶悪なレガシーでは、ライフよりは盤面や手札のアドバンテージが試合展開に関わりやすく(剣を鋤にを瞬唱の魔導士で使いまわすコントロールなどと対戦したときに痛感すると思います)、ライフ6点の差は殆どのデッキでは試合展開にあまり関係してこないです。しかし逆に言えばこれが包囲サイデッキ復活におけるポイントなのではないか、と自分は考えています。つまりドレインがかなり致命的に関わってくるデッキ構築であれば、包囲サイを積極的に採用する根拠足りえると思うのです。ただ、現状でドレインを有効に使えるカードの組み合わせが思いつかないので何とも言えないですが…。

相手のライフを削りつつ、こっちのライフゲインをハンドに変換できる。強いか?

④その他思うこと
包囲サイにトランプルやサイズの大きさの良さを教わってきた自分なので、令和の時代に包囲サイが採用されなくなったのは本当に寂しい気持ちでいっぱいです。除去耐性も打ち消し耐性もないクリーチャーですが、何とか良いデッキを作っていけたら、と毎日願っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?