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ピンの価値とは(後編)

これまで2回にわたりピンの価値について書きましたが、今回は後編として、実践的な内容をまとめます。

前編・中編はこちら。

ピンの価値をどう調べるのか

何かを参考にしてその価値が適正かどうかを確認したいという場合の調べ方を紹介します。

1. eBayで調べる方法
eBayは最も多くピンが売買される場所であり、ここの価格は価値の目安として使えます。ただし、既に売れたものだけが使えます。売れていないものは売り手側が設定した価値であり、売り手・買い手双方が納得した価値でないため客観性に欠けるのです。

また、たまに破格の値段で即購入されているケースがあるため、複数の販売済商品がある場合は販売済のものの中での最安値を見るより「どの価格帯で最もよく売れているか」が重要です。

販売済み商品を表示する方法は、検索時に"Sold"をオンにするだけです。

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2. Pinpicsで調べる方法
今のところeBayがもっとも信頼できる価値のソースですが、eBayで販売されていないピンなどはPinpicsで調べることができます。ただし、Pinpicsは具体的な金額で価値を教えてくれるわけではありません。各ピンのTrades/Wantsからおおよその価値を推測するのみです。価値を知るにはeBayと組み合わせて使います。

例えばeBayに無かったAというピンの価値が知りたい場合、Aと同じシリーズなど条件の似たピンBの価値をeBayで確認します。そして、ピンAとピンBの人気度をPinpicsで比較することにより、ピンAの価値を推測します。

3. その他の方法
日本でも十分に出回っているピンであれば、メルカリの売り切れ商品からも確認が可能です。eBayと同様に、たまに破格の値段で即購入されているケースがあるため、複数の販売済商品がある場合は販売済のものの中での最安値を見るより「どの価格帯で最もよく売れているか」が重要です。

その他に、FacebookやInstagramなどで販売されているピンの価格から価値を知る方法があります。ただし、これらはその価格で売れたかどうかがわかりにくいので注意が必要です。

注意点
eBayはUSのサービスなので、USのピンの価値を知るのには適していますが、それ以外の地域のピン(東京、パリ、香港、上海のパークピンや各国ディズニーストアなど)に関しては入手が難しいせいか価値が高めに出る傾向があります。
例えばTDRのゲームピンは日本ではメルカリで安く入手することができますが、eBayでは$10以上の高値がつくものがあります。上海や香港も、地理的な要因から日本ではもっと安く出回っているものが多いです。
そのため、US以外のピンを日本でトレードする場合にはeBay上で確認できる価値が適正ではない場合があります

価値をベースにしたトレードはどう行われるのか

郵送トレードの実際のやりとりはこんな感じです。ちょっとこの相手の方、ピンの価値評価が全体的にインフレ気味なのでどのピンなのかがわかる部分は伏せます。

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こんな感じで、お互いが価値に合意したらトレード成立です。価値にある程度の乖離があってもこのように受け入れてもらえることもありますし、別のピンを提案されることもあります。

この相手の方は、What's the valueではなくWhat's your valueという聞き方をしてきました。こちらが主体的につける価値を知りたい、という姿勢は嬉しいところです。

価値を基準にしたトレードの何がいいのか

通常のトレードでも使えますが、価値を基準にすると以下のような従来難しかった取引の会話が特にクリアになります。

・ジャンボピン、セットピンなど通常のピンと定価の時点で価格体系が大幅に異なるピンが含まれるトレード

・1対複数または複数対複数のトレード

・ピンとピン以外(グッズ等)のトレード

・half purchase half tradeの取引(主にハイバリューなピンに対して、ピンのトレードをしつつ、釣り合わない価値の差分をお金で埋める取引)

日本のピントレ会ではどう振る舞うべきか

これまでも個人的な考えから綴っていましたが、ここから先は私の個人的な考えが更に色濃い領域です。

まだまだバリューという言葉に不慣れ、または抵抗のある人が多い日本のピントレ会で、おそらくいきなり「このピンのバリューは…」と言い出したら浮きます。

実は海外の人とのトレードでは、上で挙げたような例がある一方で、Valueという単語を出してこない人も相当数います。特にUS以外の地域ではValueという単語が出てくるほうがむしろ珍しいぐらいです。
ただ、そのような人たちとのトレードでの会話から、「この人はValueという単語は出さないけど、判断は価値に立脚しているな」と感じることは多々あります。

明確に判断基準を持っていながらも明言しない、というと聞こえは悪いかもしれませんが、このスタイルが日本にフィットするのではないかと私は思います。

これをやると、その場でeBayを開くことはできません。頼れるのは自分の価値観だけです。明言しないのであればもはやドルでも円でもない何かでもいいので、とにかくLEなど一旦忘れて自分のピンにどれぐらいの価値があるのかを考えてみることがファーストステップです。
そして、トレードの話をするたびに、相手のピンについて「このピンを手に入れたときに自分は今トレードに出そうとしているピンと同じぐらいの価値をつけられそうか」を考えるのです。

今確認した価値は絶対ではない

ピンの価値は株などと同じく、不変のものではありません。株のように短期間で乱高下はしませんが、価値は時と場合により変動するものです。そのため、ある時点で確認した価値がその先ずっと適用されるとは限りません。

私は過去にeBayで、とあるピンの価値を確認した上で、その価値を大幅に上回る価格でそのピンを買ったことがあります。ピンは一期一会で、これを逃したら次にいつ入手できるかわからないと思ったからです。私が買ったときの価格は当然eBayの検索結果で確認できるので、その瞬間からそのピンの価値は高まったと言えるかもしれません。

最後に、今まで語ってきたことを全て無にするようなことを言いますが、価値にとらわれすぎると楽しくトレードできません。
前回、ピンの価値にはピンそのものだけでなく持ち主の状況も加味されると書きました。「今、この瞬間にこの人と楽しくトレードできる」にもぜひ価値を見出してみてください。

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