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20 years of pin celebration 各セッションまとめ(1日目)

初のオンライン開催となったEpcotのピントレーディングイベントの各セッションについて、概要と感想をまとめます。参加者限定コンテンツなので、核心をつくコメントはしないように気をつけております。

Official Welcome

このイベントのホストであるStevenからのウェルカムメッセージ。「こんなイベントだよ、こんなことできるよ、楽しんでね!」という簡潔なもので、その時実況しようとした私のツイートがこちら。

Event Highlight: Design a Pin Auction Lot

イベント・コンテンツのひとつであるオークションについての説明。ピンをデザインするという体験への参加権を手に入れるためのオークションで、去年のWinnerによってデザインされたのが今年のイベントピンの19番のピンとのことでした。そのピンはミッキーがいろいろなキャラクターのピンを集めているデザインです。ちなみに私はそのピンを希望していたのですが抽選で外れて購入できませんでした。

落札者の方が本当にピントレーディングが好きで、ピン自体をカスタマイズ可能なものにしたいとのコンセプトでデザインされたようです。取り外し可能なパーツがあって、自分の手持ちのピンをそこに入れることでカスタマイズが可能とのことです。また、落札者の方が好きなキャラクターがフィーチャーされているようです。

オークションを落札すると、デザインを完成させるところまでフルで参加できて、生産のための仕様書作成やその後の生産プロセスのような部分はディズニーにお任せという、おいしいところを楽しめるコンテンツになっています。貧乏人には縁のない話ですが、「キャラクターや装飾などに好みを反映できる」と聞いたら妄想がはかどります。また、単にピンについて議論するのではなく、その人が何を大切にしているのか、どんなバックグランドなのかというような深いことも聞いて、それらもデザインに反映していくということで相当すごいものが期待できそうです。できあがったピンは来年のピントレーディングイベントで販売されます。

Making of...a Disney Artist: Quynh Kimball

直前のオークションセッションから連続での登場となるQuynhさん、口ヒゲが印象的な方です。このセッションは、ピンを作るアーティストである彼がどのようにキャリアを積んでいったのか、どういう仕事をしているのかということにスポットライトをあてています。

彼は現在、ピンに限らず様々なグッズのデザインをしている立場ですが、ディズニーファンが憧れるような立場ですから「どうすればその仕事に就ける?」というような質問も出ました。

学びとかキャリア観に関する、簡潔だけどおもしろい話が聞けたと思います。また、ディズニーでの仕事は限られているから、まずは他の会社で経験を積んで、新しい価値をディズニーに与えられるような人になるといい的なことをズバッと言っていました。外の世界でちゃんと修行しなさい、ということですね。

History of Pin Trading

これが初日のセッションの中で個人的ベストでした。その名のとおり、ピントレーディングの歴史を、立ち上げに関わった人たちとのパネルディスカッションのような形式で紐解くセッションでした。

まずEpcotの新規事業としてのピントレーディング立ち上げ秘話は、ビジネス観点で非常に納得感のある話でした。特にピンを集める文化のあるスポーツイベントにいくつも行った話とか、気球のイベントでミッキーの気球ピンで反応を確かめたとかは私の日々の仕事と通ずるものがあって1人で感動していました。キャストの巻き込み方、ただ売るのではなくてインタラクションによってピン熱をigniteしていくというような話など、よいサービス設計があったからこそここまで来たのだなと思いました。

個人的には、最初期の2000ピン(2000のロゴマークのまわりに人のシルエットがあるピン)があんなデザインな理由を知ることができてよかったです。あれは「微妙なデザインだからキャストが持っている好きなキャラクターのピンとトレードしたい」と思わせるための仕掛けだったんですね。

また、Jumbo, Chaser, Hidden Mickey, LE, Surpriseというような今ではおなじみのピンがどのようにして生まれたのかというのも紹介されており、これもまたおもしろかったです。

EpcotからWDW全体、DLRへと広がった後、東京で「人気が出過ぎた」話にも触れられました。株主総会で「あのフリマみたいなのをどうにかしてくれ」と言われてからすぐピントレーディングテーブルなどが撤去された話など、当時の状況を聞いたことはあっても実際に見ていない身としてはこういう場でその当時の話が聞けたことを嬉しく思いました。

Making of...a Pin Event

ピンイベントがどうやってつくられるのかにフォーカスしたセッションでした。いくつものイベント準備が同時進行で進められるという話はまさに、今回のイベントの終わりに来年のテーマが発表されたことからもよくわかります。

商品企画の観点、特に単品商品ではなくラインナップ戦略としておもしろい話がいろいろ聞けました。

そこから、イベント会場の装飾や企画内容を含め、全体的な体験をどうデザインしていくか。こういう話を聞くと余計に、リアル会場で参加したかった感が高まります。今回のイベントのためにこういったものを準備してきた方々にとっては、たくさんのものが日の目を見ずにおわり悔しい思いをしたこともあるだろうなとも思います。

イベント会場内のトレーディングセンターの設置やRSPの商品準備などについても多大なる努力が裏にあるのだということを知りました。特にトレーディングセンターのコルクボードのメンテナンスは本当に頻繁にされているようで、これによってゲストは常に新鮮な状態でトレードができるのだと思いました。

セッションの最後では今回のイベントのバーチャル化とそれに伴う準備についても語られました。完全に作り直すのではなく、最初に計画されていたそれぞれの企画を「これをバーチャルにしたらどうなる?」と考えながら改変していったそうです。

Making of...a Disney Artist: Maria Stuckey

前のセッションから連続で登場するMariaさんです。かわいいデザインが得意なキャラクターアーティストの方で、ピン以外にもいろいろな商品に関わっているようです。ピンの他にはWishablesなどのぬいぐるみのデザインも好きな仕事とのことです。

新卒でインターンとして入り、そこからディズニーに入社。最初の面接は何とQuynhさんだったそうです。

そして私の大好きなチップとデールのPirates Lairが最初のデザインだったそうです。動物、特に馬のデザインが好きとのことで、もしかしたらあのMOGの馬シリーズもMariaさんのデザインなのでしょうか…?

Drawing Session

3セッションありましたが、正直もうただ見惚れるのみ。私には全く絵心がないので、才能のある人が羨ましいです。

Disneyland Paris/Hong Kong Disneyland/Shanghai Disneyland

パリのピントレーディングチームからはピンをつくるプロセスの紹介と、これからリリースされるピンの紹介がありました。

香港からは人は誰も登場せず、ピンの紹介動画のみ。

上海は、最近のリリースである24節気ピンについて、デザインのコンセプトや中国の伝統文化をピンに取り入れるというような挑戦が語られました。

各地のキャストが登場できるのはオンラインイベントの良いところだと思いましたが、やっぱり東京が無いのが寂しい。

この記事のカバー画像は、イベント参加者向けに配布されたソーシャルメディア投稿用画像を使用しています。

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