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15:17分発 快速 東京行 ①
今、訳あって、同じスペイン語の授業を2年連続で受けている。
スペイン語が、大すきだから。
去年の期末テスト。
あたしはどうすれば先生に、スペイン語、いやスペインへの愛を伝えられるか考えた。
60分のペーパーテスト。
考え抜いた俺の、最適解。それは、
一時間、ずっとパエリアをもちゃもちゃ噛むこと。
0点だった。
(パエリアは持ち込み不可のため)(パエリアをパエリアたらしめるパプリカ、デカい海老、奇をてらった貝だけを飲み込んだあと「これはチャーハンである」と口の中を見せようとしたが、私は舌の表面に㊙︎日記を彫っていて(ちなみに味は苦い(苦い思い出が大半))恥ずかしさが勝り思わず「イヤん」と一言、「ん」の勢いで残りのパエリアを全飲みする大失態を犯し、チャーハンの立証が不可能となったため)
ところで、おまけに、すべての解答欄を先生の横顔デッサンで埋め尽くしていた。
こっちは、ベタ褒めだった。
先生は飛び跳ねて喜ぶと、飛び跳ねた勢いで銀座方面、美容整形外科密集区域方面の空に消えた。
「これからあたし、自分の顔、横顔にしてくるわ!」と言い残して。
(施術予定図)
![](https://assets.st-note.com/img/1671117654852-QBwMw0OiUp.jpg?width=1200)
建設会社「幹」二代目社長
柱田 秀一:余った顔の右半分、勿体無いな
部下:そうですねぇ…
お母さん:余ったらジップロックに入れて冷凍よ💜
柱田:……
部下:↑誰母?
柱田:さあ…
院長:え、え、誰!? どいて!手術するから!
部下:それよりどうします、右半分のこのスペース
柱田:こっそり家建てちゃおう
部下:バレません?
柱田:夜に。夜ってほら、暗いから(笑)
部下:さすが社長!よっ、喋るマネキン
柱田:瀑!!!!!!!!(間違えすぎてる褒めに対する癇癪の音)
院長:いやだから、どいて!!!
部下:何平米?4軒くらいいけますかね
錦織圭:テニスコート縦2面いけるんじゃない!?
柱田:いけそうだな。マンションにするのも勿体無いし
部下:二階建て四つって感じですか?
柱田:そ。
錦織圭:いや、だから、テニスコート縦2面、いけるって!?!?
部下:いつやります?
柱田:新月の夜に決まってっだろ!ばか
部下:すいません。さすが社長、よっ、Mr.戻れない過去
柱田:學!!!!!
院長:どけ!!!!!!!!!!
錦織圭:テニ縦2!!!!!!!
(二人を襲撃)
お母さん:え、ちょちょ、返り血 on 回覧板!!!!!!!!!!!!
え、これってもしかして私、
さながら、
地域自治を重んじる殺し屋!?!?
レア〜!!!!!!!!!!!
院長:あー、もう!!!!!!!!!
腹いせに二重整形にきたの客の瞼を、
十二重ぐらいにしてやる!!!!!!!
客:瞼パンパンなんですけど(笑)ウケ(笑)
転落人生(笑)
(施工後)
![](https://assets.st-note.com/img/1671123008476-N65M1c1e5I.jpg?width=1200)
続いて、ネイティブスペイン人の先生の、スペイン語でのスピーキングテスト。
皆がスペイン語を用いる中、ただ一人、
あたしは彼の日本語上達を祈念し、四字熟語だけで会話した。
「馬耳東風」に大はまりした先生は早口で何かをまくし立て爆笑した。
早口すぎて聞き取れなかったが、
¿Estás recibiendo una transfusión masiva de sangre de Takaaki Ishibashi para poder decir cosas tan explosivamente graciosas?
とは言っていた。
これはもちろん間違っていたため、あたしは厳しい四字熟語縛りに苦しみながら、なんとか否定を試み、こういった。
「否北野武」
先生は、「まあスピーキングテストで日本語はおろか、四字熟語で会話してるから、0点ね。あと歯が黄色い」と流暢な日本語を喋り、西の空へ消えた。
…てなこったで、あたしは去年Fをつけられ(あたしだけFightのFらしい)、
現在月曜と木曜の3時間目に、人間の雛(大学一年生)に混じって授業を受けている。
長い長い105分の講義を終えると、駅に向かう。
ここで、必ず乗るのが、
15:17発 快速 東京行 である。(続く)
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