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安寧

私の世界というのは、広く狭い。

しかし、ぼくたちは愛し合っているから問題ない。

薄暗い夜道。

世間の目は外灯の羽虫たちに向けられている。

空港から飛び立った飛行機を見送った私達は、再び地下へと目を向けるようになる。

外灯に群がる羽虫。

世の中のあらゆるくだらないことが、露見している。

群がっているうちの一羽が力尽き、重力に引かれる。

それでもなお、羽虫たちは外灯に群がる。

美味しいご飯を食べます。