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短編『何も気にならなくなる薬』その116

運動をしなくてはと、そう考えてはいる。
しかし、考えている止まりだ。
本当にそう思っていればランニングの一つでも始めるのだろうが、普段より階段を使うくらいのことしかできない。
程よい節制と運動。これが大切だとわかっていながらなかなかできない。
こうしてダラダラ書き連ねることは出来るというのにだ。
もっと緊張感を持つべきなのだろう。

今日も頭の体操。謎掛け。

「1000年後」と掛けて、まだまだ食べれるフードファイターと解く。
その心は
胃きてない

「百獣の王」と掛けてオーラルケアと解く、その心はライオンの座は揺るがない。

「大雨」と掛けて、お金を借りに来る友人と解く、
その心は、傘ない(貸さない)ときっと困るでしょう

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「夕顔」「紹介文」
「シャワー」「電波塔」
「温泉街」
「スイミングスクール」

庭園には多くの植物が不規則に並び、木にはネックレスのように、花には標識のように看板が立て掛けられている。その中でも夕顔についての紹介文が目についた。おそらくこうした説明がなくても昔の人は花の名前を言えたのだと思う。
世の中の物事が増えていったことで、些細なことには目もくれなくなった。別にそれが悪いわけではない。
その分だけ何かに注力することは変わらないのだから。
人々の関心が多岐にわたっただけなのだ。
明日向かう場所が温泉街のため、簡単にシャワーで済ませ、周囲を散策していた。
「今度はあの大きな電波塔も見に行きたいな」
そんな要望に答えるため、スケジュールを頭の中でさらい直す。おそらくは大丈夫だろう。
子供たちのはしゃぐ声が聞こえてきたかと思うと、それがスイミングスクールに通う子供たちだとわかる。
「昔、一緒に通ってたよね」
「そうだね」
あの頃の彼女はとっても活発な子だった。
再び見た夕顔の説明に目をやる。
アサガオやヨルガオとは種類が違い、瓢箪の仲間に分類される。食べられる品種もあり。これを干瓢。
「お寿司が食べたくなってきたね」
目線の高さは半分になってしまったが、同じものを見ることが出来る。
「明日、楽しみだね」
彼女は私を見上げてにっこりと笑った。

美味しいご飯を食べます。