心と腎の関係

五臓の「心」は火、「腎」は水、です。
「心」は下に降りて行って「腎」を温め、「腎」は上に上昇して「心」の勢いを抑えるはたらきがあります。

水が冷えすぎたら火で温め、火が燃えすぎたら水で冷ます・・・というイメージでしょうか。
五臓のバランスがとれていれば、自然と冷ましたり温めたりすることができるのですが、
このバランスが崩れてしまうと、炎上している「心」を冷ますことができなかったり、ひえひえの「腎」を温めることができなくなってしまいます。
漢方では、この状態を「心腎不交」(しんじんふこう)と呼びます。

どんな症状が出るかというと・・・
不眠・動機・めまい・耳鳴り・物忘れ・足腰のだるさ・トイレが近い・潮熱・五心煩熱・寝汗、などです。

「潮熱」(ちょうねつ)とは、一定の時刻になると生じる熱感のことで、午後から夜にかけて生じることが多いようです。

「五心煩熱」(ごしんはんねつ)とは、両手のひらと両足の裏と胸のあたり(五心)の熱感、胸がざわざわして落ち着かない感じです。
舌の色は赤っぽくなります。

慢性の疾患や、思い悩みすぎ、七情(怒・喜・思・悲・驚・恐・憂)の高ぶりなどによって起こるそうです。
こうしてみると、やはり心と体はつながっているということが良くわかりますね。