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古今集巻第十五 恋歌五 757番

題しらず

よみ人しらず

秋ならでおく白露はねざめするわが手枕のしづくなりけり

題知らず
詠み人知らず
秋でないのに置く白露は、冷たさで眠りを覚ましたわたしの手枕の涙の雫なのだろう

「秋ならで」の「で」は否定の「ず」の連用形。
「手枕(たまくら)」は腕枕。
「寝覚めする(ねざめする)」は夜に目が覚めること。

腕枕をしているので相手の女性はそこにいるのですが、朝方にふと目覚めて、もうすぐ帰らないといけないと思うと悲しくなり、出た涙を白露と例えています。
昔の人は、女性はもちろんですが、男性も涙を流してよく泣いたようです。

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