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古今集巻第十七 雑歌上 910番
題しらず
よみ人しらず
わたつ海の沖つしほあひにうかぶ沫のきえぬものからよる方もなし
わたつ海(わたつうみ)の沖つ潮合に浮かぶ沫(あわ)の消えぬものから寄る方も無し
大海原の沖の潮の流れに浮かぶ沫は、消えないけれど、寄り付くところもない、この私は生きながらえているけれど、身を寄せるところもない
海に浮かぶ沫を風物として詠んだというよりは、自分の身の上を沫に重ねて詠んだものと思います。老いの嘆きととらえるなら、上の句は「消えぬ」に掛かる序詞です。
「わたつ海」は「わた」「わだ」が、今で言う「海」のこと、「つ」は助詞で所属を表し、「海(うみ)」は、たくさんの水があある場所のことです。
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