古今集巻第十四 恋歌四 733番
題しらず
伊勢
わたつみとあれにし床をいまさらにはらはば袖や沫と浮きなむ
題知らず
伊勢
海のように荒れた寝床を、今になってあなたが来るからと払い清めたなら、袖は泡のように浮くでしょう、とてもそんな浮かれた気持ちにはなれません
この歌は、後撰和歌集巻十一に枇杷左大臣(藤原仲平)の歌(宵のまに はや慰めよ いそのかみ ふりにし床も うち払ふべく)の返歌として載っています。宵のまにと言いながら仲平がなかなか来ないので、伊勢は怒ってしまったのだと思います。
「袖や沫と浮きなむ」は、浮かれて振った袖が沫(あわ、無駄のこと)になる、ということだと思います。
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