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古今集巻第十七 雑歌上 922番

布引の滝にてよめる
在原行平朝臣
こきちらす滝の白玉ひろひおきて世のうきときの涙にぞかる

布引の滝にて詠める
在原行平朝臣
扱き散らす滝の白玉拾ひ置きて世の憂き時の涙にぞ借る

布引の滝で詠んだ歌
在原行平
一筋の緒をしごいて散らしたような滝の滴の白玉を拾って残して置いて、世の中がつらいなと思った時の涙に借りよう

在原行平は、業平の弟さんです。
布引の滝は、神戸の生田川の上流にあるそうです。
「世の憂き時」は、一般的に仕事や生活が辛いという意味もありますが、この頃の「世、世間、世の中」は、男女の関わりを指す場合が多いので、「恋がうまくいかない場合」の意味と考えて良いと思います。

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