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古今集巻第十四 恋歌四 695番

題しらず

よみ人しらず

あなこひし今も見てしが山がつのかきほに咲ける大和撫子

題知らず
詠み人知らず
ああ恋しい、今もまた逢いたいものだ、山里の人の家の垣根に咲いている大和撫子のような娘に

「見てしが」は、動詞「見る」の連用形「み」+完了の助動詞「つ」の連用形「て」+過去の助動詞「き」の連体形「し」+願望の終助詞「が」で、前に見たものをもう一度見たい、という意味。
「山賎(やまがつ)」は山地に住む人のこと、木こり、山賊(さんぞく)を意味する場合もあり、怖いもののなかに咲く大和撫子(やまとなでしこ)を強く印象付けています。大和がついているのは日本の在来種ということです。「かきほ」は「垣穂」で少し背の高い垣根。

#古今集 , #恋歌四 , #山がつ , #大和撫子 , #垣穂

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