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古今集巻第十五 恋歌五 786番

題しらず

かげのりのおほきみ

唐衣なれば身にこそまつはれめかけてのみやはこひむと思ひし

題知らず
景式王
普段から着る唐衣なので着慣れて身にからみつく、なので衣掛けに掛けておく、そのように心に掛けておくだけでも恋していると思う、実際に逢いたいものだ

「唐衣馴れば身にこそ纏はれめ掛けてのみやは恋ひむと思ひし」
分かり難い歌ですが、着慣れた服のようにそのへんに掛けておくだけのような、雑な心の掛け方ではなくて、心に掛けたなら、実際にもあいたいものだ、といった意味だと思います。
「唐衣」「馴れ」という言葉があるので、伊勢物語の業平の歌
「唐衣着つつ馴れにし妻しあれば、はるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」
(着慣れた服のように心が馴染んだ妻がいるのに、はるばると東国へ離れなければならないこの旅はなんともつらいものだ)
が意識されていると思います。

#古今集 , #恋歌五 , #景式王 , #唐衣

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