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古今集巻第十五 恋歌五 765番

題しらず

よみ人しらず

忘草種とらましを逢ふことのいとかくかたきものとしりせば

題知らず
詠み人知らず
憂いを忘れるという忘れ草の種をとっておけばよかった、逢うことがこんなに難しいものと知っていたなら

「忘れ草、種取らましを、逢ふ事の、いと斯く難き物と知りせば」
忘れ草は萱草(かんぞう)のこと、ユリのような橙色の花が咲くそうです。持っていたり、食べたりすると嫌なことを忘れると言われています。
「取らましを。……知りせば」は倒置になっていますが、反実仮想です。「取っておいたのに。……わかってたのなら」です。
「いと、かく、かたき」は、とてもこんなに難しい、の意味。

#古今集 , #恋歌五 , #忘草

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