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古今集巻第十四 恋歌四 702番

題しらず

よみ人しらず

梓弓ひきののつづら末つひにわが思ふ人にことのしげけむ

この歌は、ある人、あめのみかどの近江の采女にたまひけるとなむ申す

題知らず
詠み人知らず
梓弓を引く日置野には蔓草の先が茂っているように、ゆくゆくはわが思う人には噂が繁く立つだろう
この歌はある人は、天皇が近江の采女にお与えになった歌と言っている

わかりにくい歌です。梓弓は「ひき」の枕詞、日置野(ひきの)は大阪府堺市、「梓弓引き」を掛けて「ひきの」に音でつなげます。
「つづら」は蔓草(つるくさ)のこと、その末(先っぽ)は、つひに(とうとう最後は)、しげけむ(繁茂するだろう)という意味と、
その末(近い将来)、ことの(噂が)しげけむ(沢山流れるでしょう)という意味を掛けています。
近江の采女にお与えになったのだから、作者は天智天皇ではないかと言われています。天皇が采女に歌を賜るのですから、当然そのような関係です。

#古今集 , #恋歌四 , #梓弓 , #日置野 , #蔓草 , #天智天皇

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