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古今集巻第十四 恋歌四 738番

題しらず

よるかの朝臣

玉桙の道はつねにもまどはなむ人をとふとも我かとおもはむ

題知らず
藤原因香
玉鉾を飾る道でいつも迷うように、あの人には恋の道でもいつも惑ってほしいものだ、他の人を訪ねるとしても、わたしを訪ねたと思いましょうか

「玉桙の(たまほこの)」は道に掛かる枕詞、美しい鉾のことですが、魔除けとして辻などに飾ったので道に掛かるのでしょう。
意味がわかりにくいですが、魔物がいるから道に迷ってしまうために鉾を飾っている、そういう道と同じで、あの人は恋の道でも道に迷って他の女性の家に行ってしまってほしい、まぁせいぜいそうして下さい、恋に惑うあなただから仕方ありません、わたしを訪ねてくれたと思っておけば良いんでしょうね、と皮肉っているようです。

怒っているというか、あきれているというか、そういう感じです。男性には、通っている女性の家は数件あるのが普通なのかもしれません。女性にとっては、たまにしか来てくれないので、寂しい思いをさせられるのでしょう。

#古今集 , #恋歌四 , #藤原因香 #玉鉾の道

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