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古今集巻第十七 雑歌上 912番

題しらず
よみ人しらず
わたの原よせくる波のしばしばも見まくのほしき玉津島かも

大海原から寄せて来る波のように、繰り返し何度も見たい玉津島だ

「わた」「わだ」は「海」のことなので、「わたの原」は「海の原」です。
「しばしば」は、繰り返し何度も、の意味。
「見まくほし」は、見たい、会いたい、の意味。ここでは間に助詞「の」を入れて語調を整えています。慣用句。動詞「見る」の未然形「み」+意志の助動詞「む」の未然形「ま」+体言の接尾辞「く」+形容詞「ほし」で、見たいものだ、の意味になると思いますが、助動詞「む」の未然形を「み」とするのは、例が少なくて説としては確定していないようです。

上の二句が「しばしば」に掛かる序詞です。
玉津島は和歌山県の玉津島神社のあたり。

#古今集 , #雑歌上 , #わたの原 , #玉津島

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