古今集巻第十四 恋歌四 717番
題しらず
よみ人しらず
あかでこそおもはむなかは離れなめそをだにのちのわすれがたみに
題知らず
詠み人知らず
残念な気持ちにならず思いあう仲だからこそ離れよう、思いあったと言うことを後の忘れ難い思い出として
「飽かでこそ思はむ仲は離れなめ、そをだに後の忘れ形見に」
「飽かで」は、飽きないで、
「思はむ仲」は、思いあう仲、
「こそ〜離れなめ」は、離れよう、係り結びです。
「そを」は、それを、
「忘れ形見に(大切な思い出)」は「忘れ難みに(とても忘れられない)」と掛けています。
互いに嫌な思いになってから別れるのではなくて、良い気持ちのままで別れましょうという歌です。素直な気持ちでこう思ったのか、分かれる言い訳なのかは、受け止め方次第です。作者が男性なのか女性なのかは、わかりませんが、男性が言っている気はします。
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